カタカナでも知られているようにテニスやバドミントンなどの「ラケット」の意味ももちろんありますが、ニュースではよく「金儲け、不正な商売」の意味で使われています。
今回はテニスなどのラケットではなく、ネガティブな意味での「金儲け、不正な商売」の使い方をまとめました。
racket：金儲け、不正な商売
racketはお金を作るための手段やビジネスを指しますが、たいてい違法であったり、不正であったり、ネガティブな感情を含みます。
The yakuza member was arrested for running a protection racket.
ヤクザの組員は用心棒代の取り立てをして逮捕された。
My wife is in the insurance racket.
妻は保険で金儲けしてるんだ。
保険は違法ではありませんが、この文章の話し手は保険というビジネスについてあまり良い印象を持っておらず、うまくお金を稼ぐ商売のように保険ビジネスのことを話しています。深刻な批判ではなくかなり軽い表現です。
もともとは特定の活動や業務を指す言葉でしたが、何かが起こっている感覚や、ラケット→ゲームのような連想でこの意味に広がったのではないかと考えられています。
racketeeringの意味と使い方
よりフォーマルな表現は「racketeering」になりますが、こちらは組織的な犯罪活動や、一連の不正な商取引・事業を指す用語です。
「違法行為による金儲け」を全般的に指す言葉ですが何をやってたのかは中身を確認しないとわかりません。ゆすり、たかりみたいなものから、麻薬などの販売行為、地下カジノの運営など、違法な金儲け全般です。
どちらかといえば大規模で組織的な犯罪に対して用いられる容疑で、マフィアなどの組織犯罪の報道でよく見かけます。
The chairman was arrested for racketeering.
議長が違法行為による金儲けで逮捕された。
実際のニュースでの使用例
以下、racketeeringとraketの実際の使い方を抜粋しています。
Trump was arrested in Atlanta, Georgia on August 24th along with eighteen others on racketeering charges to change the result of the 2020 election. This brings the total number of charges Trump faces to 91.
トランプはジョージア州アトランタで、8月24日に他の18人と共に、2020年の選挙結果を変更するためのラケッティングの容疑で逮捕された。これにより、トランプが直面している容疑の総数は91になっている。
以下はパリの地下鉄の駅で「一方通行」の通路を間違った方向に歩いたため60ユーロ（約8000円）の罰金を払わされた人が不満を言っている様子です。
Her partner posted the ticket on social media with the caption, “bravo for this racket.” It attracted much outrage from French citizens opposing the rule.
彼女のパートナーはソーシャルメディアにこの違反チケットを「ぼろい商売にブラボー」のキャプションとともに投稿した。このルールに反対するフランス市民からのたくさんの激怒が集まった。
