「適切な」のproper / suitable / appropriateの意味の違い

適切な

「proper」「suitable」「appropriate」の3つの単語はどれも「適切な」といった日本語になってしまいます。基本的には同じ意味、近い意味なので置き換えても問題ない場合もあります。

しかし、個々の言葉が持つニュアンスは明確に違いがあるため、細かな状況にあてはめてみるとぴったりくる言葉があります。ここでは言葉の使い分け、違いをネイティブスピーカーにヒアリングしてまとめています。

例文を作ってもらっているので感覚で違いを感じ取ってください。appropriateについては関連記事もあるので最後に紹介しています。

proper / suitable / appropriateの使い方の違い

適切・不適切

これら3つには「何かにぴったりマッチするもの」という共通の意味があるので基本的には置き換えて使えるケースも多いです。

例えば以下のようなケースでは置き換えても同じ意味で成立します。

例文

A raincoat is suitable for a rainy day.

A raincoat is appropriate for a rainy day.

A raincoat is proper for a rainy day.

レインコートは雨の日に適切だ。

例文

This is an appropriate suit for the ceremony.

This is a proper suit for the ceremony.

This is a suitable suit for the ceremony.

これはセレモニーに適切なスーツだ。

「suitable suit」といった混乱する言葉の並びについては問題があるものの、基本的な文章としては意味は同じです。

このように基本的な「何かが何かにマッチしている」といった意味で使うならば置き換えが可能でベースとなる部分では共通した意味があります。

しかし、その周辺にまで意味を広げ、細かなケースに当てはめてみるとやはり適切な言葉遣いがあります。以下は基本となる部分でのそれぞれの特徴です。

suitableの意味と使い方

suitableは「ふさわしい、適切な」といった意味ですが、よく道具などがある特定の目的に対して合っているといった意味で使われます。ある目的のために道具などを使いますが、その用いられる道具が適切であるという意味です。

例文

It is not suitable to use a putter in a bunker.

パターをバンカーで使うのは適切ではない。

ゴルフにおいてグリーンで使う用途のパターを砂場であるバンカーで使うのは適切ではないといった意味です。

例文

A 10-centimeter ruler is not suitable to measure one kilometer.

10cmの定規は1キロをはかるのには適切ではない。

これも10cmの定規で1キロを測るのは時間がかかるため適切な道具だとは言い難いです。

例文

A baseball cap is not suitable for ice hockey.

べースボールキャップはアイスホッケーには適切ではない。

アイスホッケーにはヘルメットを着用するので、頭を保護するといった目的においては手段としてベストとはいえません。

完全に間違いかといえばそうともいえなく、頭を保護するためにベースボールキャップをかぶるなど方向性としてはあっています。バンカーからアイアンを使わずにパターで打つのもやろうと思えばできます。重さを測る体重計で1キロメートルの距離をはかるのは間違えていますが、定規なら測れないことはありません。

適切ではないけれど、完全に間違っているわけではありません。道具として向いていないと考えてもいいかもしれません。

これらはけっこう主観の問題でもあり、それを適切とみなすかどうかは人によります。

appropriateの意味と使い方

appropriateは状況や文化的なバックグラウンド、その場の空気に照らし合わせて「適切だ」というニュアンスです。

例文

It is not appropriate to use a putter in a bunker.

パターをバンカーで使うのは適切ではない。

この場合はニュアンスとしてパターで使うと砂地やコースを痛めるといった社会的、マナー的な意味で適切ではないといった感じも出ます。

例文

Backwards is not an appropriate way to wear a baseball cap in some situations.

野球の帽子を反対向きにかぶるのは、いくつかの状況では適切ではない。

帽子のツバを後ろ向きにかぶるのは、少しラフすぎる感じもするので状況によってはマナー的な意味で適切でないといえます。

かつてビル・クリントンが自身の不倫を認めたときに「not appropriate(不適切な)関係だった」と表現して少し流行の言葉になったことがあります。これも大統領の立場と照らし合わせて、不倫は社会的に適切ではないと考えると意味は通ります。

properの意味と使い方

properは「correct」の意味で適切であり、「正解、正しい」と「間違い」における正しさであると考えることができます。

例文

A putter is not the proper club to use in a bunker.

パターはバンカーで使うには適切なゴルフクラブではない。

この場合のproperは「間違ったクラブである」といった意味になります。

例文

Upside-down is not a proper way to wear a baseball cap.

裏返しは野球の帽子をかぶる適切な方法ではない。

野球の帽子を裏返しにかぶるのは、失礼以前の問題で帽子のかぶり方を間違えています。

properとappropriateの違い

もう1つ例文を書いてもらいました。

カナダではかつて「エスキモー(Eskimo)」と呼ばれる人々がいましたが、カナダ政府が差別用語であると位置づけたので、現在は「イヌイット(Inuit)」が社会的に適切な表現であるとされています。

例文

A: I met an Eskimo in the Yukon.

ユーコン準州でエスキモーに会ったよ。

B: Actually the appropriate word is “Inuit person.”

実際には、適切な言葉は「イヌイットの人」です。

ここではイヌイットと呼ぶのが社会的に適切です。ただしエスキモー(Eskimo)はかつては呼ばれており、呼称としては間違いとはいえません。

この場合はappropriateがより良い表現ですが、properを使っても間違いでありません。境界線は曖昧でproperでいう人もいると思います。

以下の例文では少し性質が異なります。

例文

A: I met an snowman in the Yukon.

ユーコン準州で雪の男に会ったよ。

B: Actually the proper word is “Inuit person.”

実際には、正しい言葉は「イヌイットの人」です。

この場合は彼らを「snowman」と呼んだ事実はかつてなく、そもそも言葉の選択として間違っているといえます。

意味の違いを比較する例文

以下のように3つの言葉を使って文章を作ってもらいました。

例文

That watch is suitable(*A) for scuba diving but it is not appropriate(*B) for scuba diving with my friend because his recently deceased father had the same watch. The proper(*C) thing to do is not wear the watch.

あの時計はスキューバダイビングには適切だ。しかし、これは私の友達とのスキューバダイビングでは適切ではない。なぜなら、最近亡くなった彼の父親が同じものを持っていたからだ。ここでの適切なことは、時計をしないことだ。

*Aについては防水加工が効いているなど目的と手段があっているという意味で適切です。

*Bについては亡くなった父親を思い出させる点において、友達の前で使うのは社会的に適切ではないといえます。

*Cは「proper」「appropriate」のどちらも可能です。properならば「間違っている行為、正しい行為」として着用しないことが正解だという感じです。appropriateならば友人に配慮して着用しないことが社会的・道徳的に適切であるといった意味になります。

これらの使い分けは実際には重なり合っている部分もあるので、スパッと境界線がひけるものではないと思います。あくまで使い方の目安にしてください。

appropriateの個別の使い方については以下の関連記事をご覧ください。

   


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