ビジネス用語としてのマイルストーンは何かの節目を意味する言葉です。
元は1マイルごとに目安となる石を置いて、達成した距離などを確認するための標識に由来します。日本語でも「一里塚」といった言葉もあります。
しかし確認してみると英語とカタカナで少し使い方が異なるので、取り上げてみます。
過去のものに使う
milestone(マイルストーン)は同時に歴史や人生などにおいての「節目」を指します。
My wedding was a milestone in my life.
結婚は私の人生の節目だった。
基本的にはマイルストーンは今まで起こったことに対して使うのであって、未来に対してはあまり使いません。
日本語では「向こう10年のマイルストーンを設定して、着実にやっていこう」といった「中間目標」「目標」に近い意味で未来に使われることがあります。
この使い方は英語では一般的ではなく、そもそも到達していない場所にマイルストーンは置けないからです。
The company’s latest milestone was 1,000,000 units sold.
その会社の最新のマイルストーンは100万ユニットの販売だった。
中間目標
最終目標は「goal(ゴール)」と表現することができます。
The company’s ultimate goal is to be in every country in the world.
その会社の最終目標は全世界で事業を行うことだ。
では中間目標はどう表現するのか? といえば、それも「goal」だそうです。
The company’s immediate goal is to dominate the Asian market.
その会社の目下の目標は、アジア市場を支配することだ。
日本語では「ゴール」といえば、そこで終わりのようなイメージがしますが、このように中間の到達点としても使うことができます。
到達した後は過去を振り返ってそこを「アジア市場の支配が当社のマイルストーンだった」と語ることは可能です。
未来に対して使う
マイルストーンが未来に対して完全に使えないわけではなく、例えば人生における卒業、結婚のように誰しもが経験することを予測できるタイプのイベント、一般的な事象などには「結婚は私の人生のマイルストーンになるだろうな」と未来の言い方はされます。
しかし、カタカナで使うような個々の企業や個別の達成目標を指して「目標・ゴール」の文脈でのマイルストーンは使わない、というのがスティーブの見解です。
stepping stone
stepping stoneは目標を達成する途中にある誰かを助ける物事を指し「足がかり」といった意味になります。
Getting a part in the play was a huge stepping stone on her way to becoming a famous actress.
その劇で役を得ることは有名な女優になろうとしている彼女の大きな足がかりだった。
He hopes the new job will be a stepping stone to a career in management.
彼はその新しい仕事が経営における経歴への足がかりとなることを期待している。
飛び石
人が歩いて渡れるようにしている、川の中にある岩のことで「飛び石」などの意味もあります。
She saw a row of stepping stones ahead.
彼女は前方に飛び石が並んでいるのを見た。
That stepping stone looks slippery, so be careful.
あの飛び石はすべりやすそうだから、気をつけて。