香港の雨傘運動(雨傘の革命)の現場を見てきた

雨傘の革命
 

公開日: 最終更新日:2019.12.8

2014年の11月に香港に行く機会があったので2014年香港反政府デモいわゆる「雨傘の革命(雨傘の運動)」の現場を見てきました。現地では雨遮(傘)革命と呼ぶそうです。

アプリ内のニュースでも書きましたが、事情をざっくり説明すると、香港はかつてイギリスの植民地でしたが1997年に中国に返還されます。

中国はいろいろ情報に制限のかかる国なのは有名ですが、その巨大な中国に香港が飲み込まれようとしているという話です。

運動の背景説明としては「収まらぬ香港「傘の革命」、習近平の誤算」がうまく解説してくれています。

この模様と写真はWikipediaにも詳しく掲載されています。

2014年香港反政府デモ(wikipedia)

雨傘革命の写真

英語のスローガン

現地の人と話をしても、香港人の意識の中に自然に根付いたレベルで「中国本土(CHINA)」と「香港(HONGKONG)」は別物だということを感じます。中国人あるいは「大陸の人」ではなく、まず香港人であるというアイデンティティがあります。

そんな中で「選挙制度」そのものを変更してしまえば、北京政府に有利な人々が選ばれ、やがては本当に中国の単なる地方都市として吸収されてしまうのではないか? ということに対する反対運動です。

催涙ガスを防ぐために傘で防御したことから「雨傘の革命」と呼ばれ、黄色い傘が革命のシンボルになっています。

民主香港の看板

学生たちの運動という雰囲気が強い

香港人の大半が運動に参加しているかといえばそうではなく、学生を中心とした運動になっています。現場から離れれば、まったく運動が起こっている気配は感じませんし、多くの人が普通に働いています。

幹線道路を占拠している部分もあるので、バスのルートなどが変更されたりするぐらいが一般の人達への影響じゃないでしょうか。

ニュースを見て心配になったので現地の友人に「香港はだいじょうぶなの?」と聞いてみると「まあ、人が死ぬようなやつじゃないからね」といっていました。観光で行く際に危険があるとか、そういうレベルではないです。狭い香港の中でも局地的に起こっている運動と考えていいでしょう。

何箇所か運動の中心地になっているエリアがあります。

1つは香港島の金鐘(アドミラルティ、またはガムチョン)と呼ばれる場所で、ここには政府の機関が入ったビルがあり、この周りを占拠しています。もう1つが九龍半島側の旺角(モンコック)と呼ばれる繁華街です。近くに女人街という露天通りがあるのが有名です。私が行ったのは金鐘です。

▼バリケード的にテントを置いているわけではなく、中にちゃんと人がそれぞれ寝泊まりしているみたいでした。
路上のテント

▼革命・運動そのものを広く知られる必要があるからだと思いますが、私のような観光客が入って写真を撮影しても怒られたりはありません。
テントと通路

▼アートな展示品もあったり、独特の熱気があって、変な表現ですが楽しいです。
傘を持った巨人

この記事を書いている2014年の年末では、運動は収束に向かっているような報道がされています。長期戦になるほど倦怠感や考えこんでしまうことも多くなり、士気を保つのも難しくなります。

テントの撤去の際には少し衝突があったような報道もありました。ここから先、どうなるのかはわかりませんが見守っていきましょう。

▼政府ビル周辺の道路を占拠はしていますが無法地帯ではなく通路などがちゃんとあります。
出口の案内

▼歩いていると歩行者天国みたいな錯覚になります。いろんな横断幕。
垂れ幕

▼普通選挙や傘をモチーフにしたアートなオブジェが飾られています。
3体の人形

▼壁一面に貼られた紙には1つ1つメッセージが書かれています。
ポストイットのメッセージ

▼頭上には傘をあつめた大きなオブジェがありました。
頭上の傘

▼ドラえもんは確かに「ティントゥーン」と呼ばれて香港でもメジャーなキャラですね。
ドラえもんと傘

▼わざわざ日本から「和傘」を持っていって私もいろいろと記念撮影しました。
和傘

▼いろんなオブジェが作られてて、見てるだけでも楽しいんですよね。青空展覧館みたいな雰囲気。
ダンボーっぽいロボット

▼テントの下には「自習室」が作られています。学生さんが勉強していて、ここは撮影禁止ですがお願いして撮影させてもらいました。
勉強する学生達

▼平日の昼間だったんですが別に常に警官と衝突してるとか、拡声器で怒鳴ってるとかではなく、本当にこの瞬間はのんびりしていました。
横断幕

香港のことは好きなので引き続き、いろんなことをレポートします。

 



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