dummy(ダミー)は見本や模造品を指すような言葉で、カタカナの「ダミー」とそこまで大きな違いがあるわけではありません。カタカナの使い方でも問題ないと思います。
しかし、英語のdummyには単独ではマネキンのような意味があったり、人に対して使うとスラングで「まぬけ、ばか」といった意味にもなるので、幅広い使い方ができます。
ダミーミサイルのような言葉もありますが、どこまでを模造・見本とするのかなど注意が必要な言葉もあるのでまとめています。
ダミー人形、マネキン
人間に見せかけた人形、ダミー人形、マネキンといった意味になります。dummyだけでマネキンのような人形を指すことができます。
これはアパレルだけではなく実験用の人形なども含まれます。例文を参考にしてください。
They put dummies inside the airplane to simulate what would happen in a crash.
彼らは衝突の際に何が起こるのかをシミュレーションするために飛行機の中にダミー人形を置いた。
The store put some dummies in the window to display their clothes.
その店は洋服を展示するために窓にマネキンを何体か置いた。
マネキンは和製フランス語のような感じで元はフランス語で「モデル」を指すmannequin(マヌカン)から来ているそうです。しかし「まぬかん」が「(客を)まねかない」に通じるため招き猫とかけた造語にあたるそうです。
参考:マネキン(Wikipedia)
おしゃぶり
イギリス英語になると思いますがあかちゃんが使うおしゃぶりをdummyと呼んだりします。
あまり北米では見られない言い方で、北米ではpacifierが使われます。
I gave the baby a pacifier.
= I gave the baby a dummy.
赤ちゃんにおしゃぶりをあげた。
見本、模造品、見本の
「見本、模造品、代用品」など特に検査やチェックなどのために使われます。また形容詞で「見本の」の意味にも使えます。
He made a dummy copy of the book so they could check the layout.
彼はその本の見本をコピーしたので彼らはレイアウトをチェックできた。
They filled the page with dummy text to test the printer.
彼らはプリンターのテストをするため、ページをダミーのテキストで埋めた。
They used a dummy warhead to test their missile.
彼らはミサイルをテストするために見本の弾頭を使った。
ダミーミサイル
基本的には日本語の「見本の、模造の」といった意味と同じですが厳密には少しニュアンスや指しているものが異なるケースがあります。
例えば「dummy missile(ダミーミサイル)」などで、ダミーミサイルといえばミサイル全体が張りぼてで紙などで作られた映画のセットのようなものを指してしまいます。
戦争などで使われるのはミサイル自身は実際に飛ぶ本物で、実際に当たっても爆発しない弾頭がダミー(dummy warhead)のケースが多いです。
They fired a missile with a dummy warhead.
彼らはダミーの弾頭でミサイルを発射した。
ダミーカンパニー
dummy companyやdummy corporationも少し定義が複雑で、Wikipediaにページはあるものの、そこまで一般的な用語でもありません。
dummyには「名義だけの」といった意味もあるので、海外などに租税回避のために作られるような会社を指します。
しかし、必ずしも悪い意味で使われるわけではありません。以前にJALが日本-台湾便を飛ばすために「Japan Asia Airways」という会社を作りました。
実態としてはJALの運営ですが、当時の中国との関係で「台湾に飛ばすな」といった批判をかわすために作った会社です。こういったのもダミーの会社に入ります。
ヤクザやマフィアが隠れ蓑にするような企業は明確にfrontがあります。日本語のようにfront companyとはいわずfrontです。
The candy store was a front for the mafia.
そのキャンディーストアはマフィアのフロントだった。
愚かな人、まぬけ
愚かな人を指すこともあり、「ばか、のろま、まぬけ」といった意味になります。
The teacher was fired for calling a student a “big dummy.”
その先生は生徒を「大ばか」と呼んだことで解雇された。
Shut up, dummy!
黙れ、まぬけ!
YouTubeオリジナル映画『Kobura kai』に使われているシーンがありました。
家にテレビの設置工事に来たジョニーが間違った壁に薄型テレビを設置してしまい、家の住人から怒られるシーンです。
はやく設置しなおせ、私は間違った壁にテレビを設置する「ダミー」じゃないと言います。