conduct(コンダクト)とconductor(コンダクター)の意味と使い方

conduct
 

公開日: 最終更新日:2024.02.1

カタカナでも「ツアーコンダクター」のように添乗員を指す言葉として広く使われていますが、英語のconductはさまざな意味があって少し使い方に迷います。

なにをコンダクトするのか?によって意味合いが変り、名詞・動詞ともに意味が存在しているため、日本語に訳す場合でも状況によって言葉が異なります。

カタカナで「コンダクト」といっても意味はわかるようなわからないような微妙な感じがありますね。

過去にアプリの中のニュースに登場したさまざまなconductの使い方を整理してみました。

conductの意味と使い方

通常は後ろにものを置くと「(事業・取引・会議・調査・実験などを)行う、実施する」などの意味になります。語源としては「案内する行為、導く行為」といった意味です。

例文

The event was conducted without any problems.

イベントはトラブルなく実施された。

例文

He conducted the meeting well.

彼は会議をうまく実施した。

ただ、音楽用語としてはオーケストラなどを「指揮する」の意味もあります。イメージとして何かを導く感じは似通っています。

例文

He conducted the orchestra beautifully.

彼はオーケストラを美しく指揮した。

何を実施するか?

conductは「行う・実施する」ですが、あらゆる物事に使うわけではなく対象なるものがけっこう限られている感じがあります。イメージとしてはオーケストラの指揮者のように、複数にまたがるものをまとめて組織的に導くような感覚があります。

ニュースではアンケート調査などを実施したときなどに「conduct a survey(調査を実施する)」などでよく登場します。

日本語の「実施する」という言葉をベースに考えると、英語でうまく組み合されないケースがあります。英語では以下のものがよくconductされます。

research(研究)
business(ビジネス)
interviews(インタビュー)
studies(研究)
investigation(調査)
operations(軍事作戦・業務)
tests(テスト)
experiments(実験)
survey(調査)
meeting(会議)

これら特定の言葉がconductされます。逆に日本語の「実施する」から考えると「アイデアを実施する(idea)」や「コンサートを実施する(concert)」「命令を実施する(order)」などは英語では組み合わせとしては変になります。

案内する・ガイド

コンダクト

conduct + 人の組み合わせで、旅行に同行するツアーコンダクター(添乗員)などのコンダクトの意味で「(人などを)案内する」となります。もともとはこの意味が原点だといえます。

例文

She conducted them through the large factory.

彼女は彼らを大きな工場に案内した

例文

I conduct tours of historical sites in Nara.

私は奈良の史跡ツアーの案内をしている。

電気などを伝える

電気が後ろにくると「伝導する、伝える」の意味になります。この意味もよく登場します。

例文

Don’t carry a metal umbrella in a thunderstorm. They conduct electricity.

雷雨のときには金属の傘は持ち歩くな。電気を伝導する。

例文

Don’t put electric devices in a bathtub, because the water conducts electricity.

電子機器をバスタブにつけるな。なぜなら水は電気を伝えるからだ。

conduct [oneself] ・振舞う

oneselfの形で「振る舞う」などの意味にもなります。この形もけっこう登場しています。behaveの意味です。

例文

Your daughter conducts herself very well.

あなたの娘はよく振る舞っている。

例文

He conducts himself well.

彼はよく振舞っている/行動している。

また名詞で「振る舞い、態度」としても使うことができます。言い換えるとbehaviorです。

例文

His conduct was bad during the game.

試合の間、彼の態度は悪かった。

conductor(コンダクター)の意味<と使い方

conductorについても複数の意味がありますが、一般的に文脈なしでconductorだけで使えばオーケストラの「指揮者」を指します。

例文

He is a conductor for the Tokyo Symphony.

彼は東京シンフォニーの指揮者だ。

例文

The conductor used his hands to guide the musicians.

指揮者は手を使ってミュージシャンを導いた。

例文

He was a conductor for the London Philharmonic.

彼はロンドン・フィルハーモニックの指揮者でした。

グーグル画像の検索で「conductor」を検索しても指揮者の画像しか出ません。

conductor

conductorでの画像検索

もちろん「ツアーコンダクター(添乗員)」も言葉として存在しているのでそのまま使えます。文脈にもよりますが、混乱させないためにも「ツアー」とつけたほうがわかりやすいですね。

例文

He is a tour conductor.

彼は旅行の添乗員だ。

鉄道関係者

北米の英語ではなぜか鉄道関係者に対してはconductorを使います。

電車のコンダクター

電車のコンダクター

運転手は別としても、「車掌、乗務員、客室乗務員、特に駅で働いている人」に対してはconductorを使います。電車の乗客を助ける役目をする人を指しています。

例文

He is a conductor at Tokyo Station.

彼は東京駅の駅員だ。

例文

I showed my ticket to the conductor.

私はチケットを車掌に見せた。

例文

A conductor walked down the asile.

車掌が通路を歩いていった。

これらは文脈で判断するしかありませんが、駅員の意味ならば何かしら電車の話題になっていると思います。

誤解をなくしてはっきりさせるために「train conductor(トレイン・コンダクター)」とする方法もあるので、状況によってはこちらがわかりやすいかもしれません。

例えば一般的にエンジニア(engineer)といえば、さまざまなものを設計したりする技師のことです。最近のIT業界ではプログラマの意味でも使われています。

これが電車用語になると「運転手」、広い意味では「機関士」になります。特にアメリカ英語で「電車の運転手」を指します。なぜこうなるのか不明ですが、おそらくdriverと違う点は電車は決められたレールの上を走るという点です。

古くは蒸気機関車のように燃料をくべて運転していた時代の言葉の名残みたいな話だそうです。ちょっと鉄道関係は特殊な用語が多いですね。コンダクター

conductor(伝導体、導体)とsemiconductor(半導体)

熱または電気を通過させる材料で「伝導体、導体」のことです。

例文

Copper is a very good conductor of heat.

銅は熱を非常によく伝える導体である。

例文

Gold is sometimes used as a conductor in electronics.

金は電子機器において導体として時々使われる。

semiconductorは特定の条件で電気などを通過させる材料であり「半導体」です。

例文

Semiconductors have been a rapidly growing industry.

半導体は急速に成長している産業である。

例文

Silicon is a commonly used semiconductor.

シリコンはよく使われる半導体である。

misconduct(非行、不品行)の意味

「非行、不品行」などで、「マナーの悪い行為や態度の悪いこと」など広い範囲を指します。厳密にどの行為、どこまでの行為だという定義はありません。

しかも、よく使われる場面がスポーツ、学校、職場、法廷などに限られてきます。

例文

Shoving another player during a game is considered misconduct.

試合中に他の選手を押しのけることは、態度の悪い行為だと見なされる。

例文

Plagiarism is a form of academic misconduct.

盗用は学問におけるあるまじき行為だ。

スポーツではルール違反と考えても近いですが、わざわざルールに明記するまでもない、普通に考えて態度の悪い行為などを指しています。

また路上喫煙などをmisconductとあまり呼ばないのは、先に書いたように言葉と場面のミスマッチがあるからです。日常の場面であまり使う言葉ではないそうです。



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