boundという言葉が少しややこしいのは、いくつかの異なる言葉がたまたま同じ形になってしまっているような点です。
bindの過去形・過去分詞がboundであると同時に、後で触れますが原形のboundだけでジャンプに近い意味が存在しています。
今回はそういった語源の話は抜きにして、使われ方も限定的なので、代表的な意味・用例をご紹介します。
発音はbáundなのでカタカナでは「バウンド」が近いです。ボールなどの「バウンド」との関係も最後に書いています。
流行りのインバウンドについては『inbound(インバウンド)とoutbound(アウトバウンド)の意味』にまとめています。
bound for(~行きの)
電車などのアナウンスで耳にしますがbound for Tokyoで「東京行き」など目的地を意味する言葉です。旅行でも頻出の重要表現です。
This train is bound for Tokyo.
この電車は東京行きです。
また目的地 + boundでも同じく「〇〇行」を表すことができます。
The Tokyo-bound flight was delayed for two hours.
東京行きのフライトが2時間遅れた。
This Broadway-bound actor is delighting audiences everywhere with his singing.
このブロードウェイを目指す俳優は、いたるところで彼の歌で観客を楽しませている。
交通機関で「〇〇行き」を表す場合には「destined for」もよく使われるのであわせてご確認ください。
はまり込んでいる・詰まっている
何かの単語のあとに-boundをつけた「~にはまり込んでいる、~に詰まっている」という意味になります。そこから動けなくなってしまった状態を指しています。
The snow-bound avalanche victims ate jerky until they were rescued.
雪で埋まった雪崩の被害者は救助されるまでジャーキーを食べた。
Although he grew up on the farm, his job made him city-bound as an adult.
彼は農場で育ったけれども、大人になって彼の仕事は彼を都会に縛りつけた。
直訳しましたが、仕事が忙しすぎて都会を離れることができず、田舎に帰ることができないという意味です。
先に紹介した「Osaka-bound」などの表現も「(行き先が)大阪に固定されている」と考えれば、関連がまったくないわけでもありません。
home-bound
これで家から出られないような状態を意味します。
Many home-bound people require special help.
家から出られない多くの人々が特別の助けを求めている。
何かのトラブルで家から出られない状態になった人が救助を求めているという意味です。
Many homeward-bound people after the Obon holidays were affected by the train delays.
お盆休みのあとに家路についた多くの人々は電車の遅延に影響を受けた。
家に帰ろうとしていたときに電車が遅れていて、その影響を受けたという意味です。
トラブルに対してだけでなく、自ら望んで家にこもるような場合にも使えます。
He enjoyed being home-bound for the week, because he could read a lot of books.
彼はたくさんの本を読むことができたので、その週は家にいることを楽しんだ。
There were a lot of great shows on Netflix so I was home-bound all weekend.
ネットフリックスでたくさんの素晴らしい番組があったので週末はずっと家にこもっていた。
しかし、「寝たきりの」を意味するのはbed-riddenです。bed-boundは使えない表現です。
The disease has left her bed-ridden.
その病気が彼女を寝たきりにしてしまった。
EarthBound
糸井重里が手掛けたファミコン用ヒット作品で根強いファンがいる「Mother(マザー)」シリーズの海外版のタイトルは「EarthBound」です。
「EarthBound」は文字を単純に読めば2通りの解釈が成立します。
1つは最初に紹介した「地球行き」といった目的地を表す意味と、「地球にはまって動けなくなっている」の両方の解釈が可能です。
bound to
bound toの形でも2つぐらい大きな意味があり、1つは「~する決心をしている、~することを誓う」といった意味になります。
I’m bound to help her.
彼女を助けることを決心している。
義務などと違ってやらないといけないわけではありませんが、そう決意して誓っているといった意味になります。
もう1つが「絶対に~する」「確かに~する」といった意味での使われ方です。
He’s bound to make a mistake.
彼は絶対に失敗するね。
He is bound to love her.
彼は彼女をきっと愛している。
bind
boundはbindの過去形・過去分詞でもあり、bindそのものには「ひもなどで縛る」「結び付ける」といった意味があります。
I’m going to bind these old newspapers together and throw them away.
私はこれらの古新聞を縛って、捨てるつもりだ。
I bound some sticks together with rope.
私はロープで棒切れを結び付けた。
この過去形のboundが「〇〇行き」や「はまっている」の意味と同じなのかといえば、語源的にはよくわかりません。固定されていると考えると同じ系統だとは考えることができます。時間があれば調べておきます。
bounceとboundの違い
カタカナでは「ボールのバウンド」のように使われますが、おそらくそれを英語でいうならば「bounce」のほうだろうという意見です。
bounceは名詞で「跳ね返り、弾み、反発力」、動詞では「跳ねる、跳ね返る、弾む」の意味があります。
This soccer ball is flat and doesn’t bounce.
このサッカーボールはパンクしている。跳ねないよ。
辞書で調べてみると「bound」にもボールが跳ねる、跳躍などの意味がありますが、この意味ではほとんど使わないそうです。boundといえばすでに紹介した「行き先」か「はまっている」のどちらかの意味になる可能性が高いです。
Superman can leap over tall buildings in a single bound.
スーパーマンは1回の跳躍で高いビルを飛び越えることができる。
上のような例文は成立しますが「leap tall buildings in a single bound」は有名なスーパーマンを紹介する決まり文句です。これ以外にboundが跳躍の意味で使われているのを見たことがないとカナダ人のスティーブがいっています。
しかし、rebound(リバウンド)になるとカタカナと近い意味で使われています。何かにぶつかって反発、跳ね返ることです。
Dennis Rodman was great at catching rebounds.
デニス・ロッドマンはリバウンドをキャッチすることではすごかった。
He is rebounding from a bad relationship.
彼は悪い関係から立ち直りつつある。
reboundは何か悪い出来事や精神的なダメージからの「回復、立ち直り」の意味もあります。