desireとwantはどちらも「~が欲しい」といった意味で使うことができます。しかし、desireには日常会話としては派手な響きがあり、性的な魅力に対してもよく使われます。
基本的には「欲しい」という意味では同じなので間違いではありませんが、使い方によっては場面に似つかわしくない用い方になってしまいます。
desireの発音は【dizáiər】なので読み方は「ディザイア、デザイア」ぐらいでしょうか。以下の音声ファイルを参考にしてください。
desire【dizáiər】
関連記事として『undesirable / unwanted / undesiredの意味の違い』もあるのであわせてご覧ください。
desireとwantの使い方の違い
基本的にはどちらも似た意味で「~が欲しい」と同じように使えることが多いです。以下は同じような意味になります。
This is the most wanted toy for Christmas.
This is the most desired toy for Christmas.
これはクリスマスに最も欲しかったおもちゃだ。
desireは少し派手な言葉なので状況に照らし合わせてみると少し変な感じがする時があります。
例えばすごくピザが食べたいケースです。この場合、desireのほうがピザを欲しがっている感じはありますが、日常的に食べるピザに使うにはちょっと派手すぎる言葉遣いかもしれません。
〇 I want a pizza.
△ I desire a pizza.
ピザが欲しい。
恋人に言うならば、中森明菜もそう歌ったようにdesireのほうが、多少ロマンティックな響きがあります。
言い方次第ですがwantだと「お前がほしいものはなんでもやるよ」と恋人に対しての言葉としてはぶっきらぼうに聞こえる可能性があります。
△ I will give you whatever you want.
〇 I will give you whatever you desire.
あなたが欲しいものならなんでもあげるよ。
強盗や泥棒に遭遇した時には泥棒に対してdesireを使うと変で、切羽詰まった状況でそんな華やかな言葉遣いをするのもおかしい感じがします。
〇 I will give you whatever you want.
△ I will give you whatever you desire.
あなたが欲しいものならなんでもあげます。
こういった言葉の持つ雰囲気の差があり、使っても間違いではありませんが状況的に合わない言葉遣いになってしまいます。
wantedとdesiredの違い
desireとwantの違いは上に説明したとおり、ともに「欲しい」の意味になります。しかし人、人間に対して使うと明らかに意味が変わるケースがあります。
He is the most wanted man in America.
彼はアメリカで最大の指名手配者だ。
He is the most desired man in America.
彼はアメリカで最もセクシーな男だ。
この場合のwantedはポスターなどで見かける「指名手配、おたずね者」を意味する言葉です。一方のdesiredは性的な意味で「求められる」を意味するので、「セックスアピールのある人」を指します。
性的なニュアンスであれ、犯罪者と追われる人であれ「求められている」という意味では確かに同じです。
それとは別にdesired / wanted ともに「望んだ、待ち望んだ」の普通の意味もあるので文脈で判断するしかありません。
「He is the most wanted / desired CEO」などになると普通は「待ち望んだ社長」みたいな意味になります。セクシーなCEO、指名手配のCEOであることは否定しませんが、普通はそうはなりません。
desirableの意味と使い方
似たような問題としてdesirableは「望ましい、好ましい」の意味で間違いありませんが、それがやや性的な魅力でも使われることが多いので文脈に影響を与えます。
This is the most desirable outcome.
これは最も望んだ結果だ。
That actor is considered quite desirable in certain markets.
あの俳優はある特定の市場では本当にセクシーだと見られている。
下の例文の魅力もセクシーな感じ、性的な魅力にフォーカスした文章になっています。
その証拠にグーグルのイメージ検索で「desirable」を調べると、服は着ていますがセクシー系のおねえさん画像がいっぱいでてきます。
desirable(Google画像検索)
名詞のwantとdesire
ニュースではdesireが名詞で使われていたケースがあり、意味は「熱望、切望、欲望、願望」です。wantも同じ「ほしいこと、望んでいるもの」として、ほぼ置き換え可能なケースはあります。
He has childish desires.
=He has childish wants.
彼は子供っぽい欲望がある。
The president promised to satisfy the desires of his people.
=The president promised to satisfy the wants of his people.
大統領は人々の願望を満たすことを約束した。
wantの欠乏・不足
wantには「欠けているもの、欠如、欠乏、不足」の意味があり、こちらは試験関係の問題に登場するため有名かもしれません。
wantは欠乏、不足ではありますが、足りてないことは欲しいことでもあるので、考え方としては表裏一体の部分はあります。
She is in want of an assistant.
彼女はアシスタントを必要としている。
彼女はアシスタントの不足状態にある。
▲ She is in desire of an assistant.
上のdesireの例文はアシスタントを性的に欲しがっているようなニュアンスならば、かろうじて解釈可能なレベルです。
wantは基本的なモノで欠けている何かを必要とするケースに、desireは追加でほしいようなものに使われる傾向があります。
The nation is suffering for want of clean water.
その国は綺麗な水の不足に苦しんでいる。
The nation has a desire for a free-trade deal with its neighbors.
その国は隣国との自由貿易に対する熱望がある。
しかし、ネイティブスピーカーの意見ではwantを名詞で使うのは日常英会話では滅多になく、どちらかといえば詩や文学に登場する言葉遣いだという話です。