ニュースに頻出の犯罪用語まとめ

犯罪
 

公開日: 最終更新日:2022.11.24

犯罪にまつわる用語でaccuse、charge、arrestなどが時系列で起こりますが、具体的にどういったことで日本語でいう「逮捕」「告発」「非難」「起訴」などどれにあたるのかは非常に複雑です。

特に法律用語を日本語と対応させるとややこしく、各国の正確な法律知識がいります。そのような解説は無理なので、今回は私が調べた結果をフィーリングで解説します。

調べた結果とは「日本語の辞書を調べる」「ネイティブに意見を聞く」「ネイティブに例文を作ってもらう」「日本語でネットで調べる」「英文でネットで調べる」などを行いました。

逆にいえば、そこそこ時間を使ってこれだけ調べてもはっきりしない部分が残ったぐらいに複雑です。特に国による法制度を考慮すると正確に書くには各国の弁護士クラスの協力が必要なレベルです。

そこまで専門的で高度な説明ではなく、犯罪系のニュースを読む上で必要なボキャブラリーといった頻出の言葉なので感覚だけでも掴んでください。変なことは書いていませんが、間違っていたら本当にすいません。

accuse

=[辞書]非難する 訴える 告訴する 告発する

The boss accused John of theft and called the police.
(ボスは窃盗でジョンを非難し警察を呼んだ)

「非難する」の意味で使われることが多い単語ですが、訴える、告発するなどの意味でも使われます。

確たる証拠もなく、まだ訴えられた人が犯人かどうかもわからないですが、とりあえず何かしらの根拠があって「あいつが悪いことした!」「おれの物を盗んだ!」「訴えてやる!」と言われているような状態です。

本当に犯人かもしれないし、勘違いしたのかもしれません。これは一般市民など普通の人でもできる行為です。

例文ではボスはジョンが盗んだと思って警察を呼びますが、実際にジョンが盗んだのかどうかはまた別問題です。

arrest

=[辞書]~を逮捕する

The boss accused John of theft and called the police. The police arrested John.
(ボスは窃盗でジョンを非難し警察を呼んだ。警察はジョンを逮捕した)

「逮捕する」の意味で使われます。何かしらの罪を犯したと認められ、証拠隠滅や逃亡の恐れがあるので警察によって身柄を拘束されることです。

これはまだわかりやすく警察など逮捕権を持つものに身柄を確保されることです。ただし、この段階ではまだ有罪か無罪かは未確定であり、裁判で罪が確定するまでジョンは犯人であると疑わしい「容疑者・被疑者」でしかありません。

容疑者は「suspect」としてもニュースに頻出の英単語です。

charge

=[辞書]容疑 嫌疑 課せる 責める 非難する とがめる 告訴する 起訴する

The boss accused John of theft and called the police. The police arrested John and charged him with theft.
(ボスは窃盗でジョンを非難し警察を呼んだ。警察はジョンを窃盗の容疑で逮捕した)

日本語ではおそらく「~の容疑で」と訳すのが近いと思います。accuseは勝手に誰かが言ってた感じが強いですが、こちらは法的、公的な機関による行為というニュアンスが高まります。

「~の罪で」という感じですが、まだ厳密には罪は確定しておらず、これから起訴されて裁判で争います。

また名詞で「容疑」としてもよく登場します。

He denied the charges.
(彼は容疑を否認した)

疑わしいという意味では「容疑・嫌疑」が近いニュアンスでしょうか。厳密にいえば検察官(prosecutor)によって行われる行為だそうです。

この後で裁判をして「innocent(無罪)」か「guilty(有罪)」が確定されるという流れです。

indict

「起訴する」といった意味です。裁判官や陪審員から公式に「あなたはこの罪です」と言われるようなことと考えてもそう遠くないと思います。

読み方は【indáit】なので「インダイト」ぐらいです。インディクトではありません。

例文

He was indicted on charges of smuggling.

彼は密輸で起訴された。

例文

The court indicted him for election fraud.

裁判所は彼を不正選挙で起訴した。

chargeと同じ意味ですが、chargeは警察や検察官、検事がやるもので、indictは裁判所がやることで使い分けされています。

例文

He was charged with fraud.

(検察官などがやる)

例文

He was indicted for fraud.

(裁判所がやる)

このあたり法律の専門的な話なので、言葉の使い方の正確性が保証できないので、大枠として参考にしてください。

alleged

疑わしい、~と思われる、といった意味で、まだ裁判で何も確定していない、証拠もまだない状態の疑わしさを表す形容詞です。

人々が何かしらの根拠から「あいつは怪しい」と思っている程度で、警察も拘束はするかもしれませんが、まだ何も確定していません。

①The alleged killer is in the building now.
(殺人犯と疑わしい人物は今、建物の中にいる)

②The suspected killer is in jail now.
(殺人犯の容疑者は今、牢屋(留置場)にいる)

③The convicted killer is in prison now.
(有罪判決を受けた殺人犯は今、刑務所にいる)

ここでのjailは警察の留置所のような牢屋が近いです。

①と②は血のついたナイフを殺人現場で持っていたとしても、犯罪者として確定したわけではなく「疑わしい人物・容疑者」でしかありません。

②は逮捕されていますが、まだ裁判で罪が確定したわけではないので容疑者・被疑者です。

法的に①と②をどこまで明確に使いわけているのか各国の状況はわかりませんが裁判前の状況です。

③になると裁判が終わり法的にこの人物は殺人を犯したと認めらた状態です。

criminal

クリミナル(criminal)は「犯人・犯罪者」のことですが、日常会話で使うとちょっと幅が広い言葉です。

He is a criminal.
(彼は犯罪者・犯人だ)

My neighbor is a criminal.
(私の隣人は犯罪者だ)

このように日常会話では表現しますが、裁判が終わったのかどうかなど詳細は不明だし、誰もそこまで考えて話しません。「うちの近所の男は犯罪者なんだよ」みたいな程度です。

Police arrested a criminal.
(警察は犯人を逮捕した)

この場合も「犯人・犯罪者」が意味するのは、世間一般の概念としての法を犯す悪い行為を行った人です。

しかし、ニュース報道になると「suspected criminal(犯罪容疑者)」や「convicted criminal(有罪判決を受けた犯罪者)」といった言葉も見られます。

こう書く必要があるのは、もしこのcriminalが裁判で無罪の可能性がある微妙なケースではslander(名誉毀損)のリスクがあるからです。

slander

そういう特殊な状況でないならばcriminalは犯罪者を指す一般的な用語です。

ドナルド・トランプもヒラリー・クリントンにおもいっきり「あいつはクリミナル(犯罪者)だ」と言っています。お互いに大統領候補なのでさすがにヒラリーは訴えないと思いますが、状況が違えば公の場で相手に向かっていうと名誉毀損のリスクが伴います。

allegedly

allegedlyは「(真偽の程は分からないが)申し立てによると、伝えられるところによると、~だということになっている」といったニュース報道では頻出の単語です。

似た意味ではapparentlyがあり、こちらは「(聞いた情報によると)どうも~らしい、どうやら~らしい、見たところでは~のようだ」の意味になっています。

どちらも真意不明で断定していない表現としては近い意味です。

allegedlyは日本でいえば「~の模様です」が近く「誰かが言うには、人々が言うには、世間がそう思っている」といったニュアンスの言葉です。

He allegedly murdered someone.
= People think he murdered someone
(彼は誰かを殺した模様です)

この単語がニュースで頻出になるのは、初期の報道などでまだまだ犯行も断定されておらず不明な点も多いからです。逆に、使わずに「彼は殺しました」と断言してしまうと、後で間違っていた場合には大問題になります。

ニュース機関などは使わざるをえない(使うように指示が出ている)言葉になります。

apparently

それに対してapparentlyは「自分がそう思う」という個人の見解、感情、主観を意味しています。

Apparently he’s guilty.
= I think he’s guilty.
(どうやら彼は有罪のようだ)

こちらは英会話でも使える表現で、真相はよくわからないが自分が判断するには~らしいといった意味になります。

ニュースでも使ってもいいんですが、それは記者なりキャスターの個人的な感想や意見でしかなくなります。

victim / perpetrator(perp)

perpetratorは犯罪に関わった「加害者」を指す言葉です。反対に「被害者」を指すのはvictimです。

警察によって「perp」とも訳されますが普通の人は使いません。しかし、ドラマなどでみんな知っている言葉ではあります。

日本語の刑事ドラマでも犯人を「ホシ」といったりしますが、普通の人は知っているけど使わないという意味では同じでしょう。

「Perp walk」の言葉もあって、加害者が逮捕された時などにマスコミ向けに犯人を連れだして歩くことです。

普通は手錠をはめられており、頭からジャケットをかぶって顔を隠している姿を報道などで見ますが、まさに同じことでよくテレビで見かける光景です。

アメリカの報道を見ているとパーカーを着ている率が高く、両方の腕を屈強な警察官みたいな人にがっちり掴まれています。

person of interest

言葉の意味を解釈すると「参考人・重要参考人」といった意味が近いです。法的には特に根拠のない言葉で事件に関与していると思われるので「警察が興味を持っている」というだけです。

アメリカで同名の人気ドラマ『パーソン・オブ・インタレスト』があります。ドラマのストーリーは人工知能(マシン)が犯罪に関わる人を予測して社会保障番号(マイナンバーのようなもの)を知らせてくれますが、被害者・加害者どちらになるかはわからない点が物語の面白みになっています。

しかし事件に関する重要な人物であることは間違いなく、加害者・被害者どちらかはわからない人物を『Person of Interest』と呼ぶので、意味はやはり「重要参考人」といった訳が適切ではないでしょうか。

関連事項でいえば警察組織に関する用語もまとめた記事もあるので参考にしてください。



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