映画などを見ていると「damn(ダァム!)」や「God damn you(ガッデム)」などの表現をよく耳にします。しかし、実際にどんな意味でどう使うのかといわれるとなかなか感覚的で難しい言葉です。
ここではネイティブスピーカーに聞いたdamnの使い方を動詞・形容詞・副詞・感嘆詞ぐらいに分類して順番に使い方をご紹介します。使い方の注意点についても後半にまとめてみました。
damnの動詞での使い方
damnの発音は水をせき止めるダム(dam)と同じ【dǽm】なので同音異義語になります。アとエの中間のような音になります。
damn【dǽm】
本来の意味・使い方は聖書などに登場する「(人)に永遠の罰を科す、(人)を地獄に落とす」といった使い方です。主語は神などが来ます。本来の意味で登場するのは聖書などの専門分野です。
現在の言葉に言い換えると「curse(~をのろう、のろいをかける)」ぐらいの意味です。
「Damn」「Dammit」「Dammit all to hell」「Damn you」などは主語に「God(神)」を補って考えると「神よ、こいつを呪ってくれ」「神よ、こいつを呪ってくれたまえ」「神よ、地獄に突き落としてください」ぐらいです。
神に対して、目の前の気に食わない人物、出来事に対して、地獄に突き落として呪ってください、という願いを伝える表現だと理屈では考えることができます。怒ったときに相手に投げかける言葉としてよく聞かれます。
感嘆詞のdamn
ほかにも驚きを表現する感嘆詞としても使われます。この場合の驚きは、良い・悪いの両方に使えます。
Damn! That’s a nice car!
やべえ! いい車だ!
Damn! I forgot my keys!
やべえ! 鍵を忘れた!
日本語で訳しにくいですが「くそ!」でもよく「くそ! いい車だ!」とかでもいいと思います。好きに訳してください。
形容詞のdamn
形容詞ではdamnedの形もありますが「嫌いな、忌々しい」みたいな意味になります。
Those damn rabbits ate my vegetables again!
あの忌々しいウサギたちがうちの野菜をまた食べやがった!
My dentist told me I have a damn cavity.
歯医者が俺に、忌々しい虫歯があると伝えた。
副詞での使い方
強調としても使われるので、単純な意味としては「very」と似たような感じの使い方ができます。
You’re damn right!
お前はまじ正しいよ!
You’d better wake up damn early to get there on time.
そこに間に合うように、めちゃ早くに起きたほうがいい。
副詞での使い方はわかりやすいですが、ネイティブスピーカーのスティーブに意見を聞いてみましたが、状況によっては響きが「とげとげしい」感じがするそうです。
veryの意味で単純に使うと、失礼や不快というわけではありませんが、手厳しく辛辣な感じがするといっていました。
この感覚はなかなか日本人には難しいですが、元が「神罰がくだる」みたいな意味なので、その雰囲気が多少なりとも残っており、日常会話で単純な「very」と置き換えると、場にそぐわない表現のキツさがでる場合があります。
そこで少しソフトにするために「pretty damn」などを挟んだり、「damn」の音を崩したりちょっと変えたりして、少し和らげる配慮が入ったりします。
He can run pretty damn fast.
彼はめちゃ速く走れるよ。
You’d better wake up pretty damn early to get there on time.
そこに間に合うように、めちゃ早くに起きたほうがいい。
このあたりは言葉の雰囲気になりますが、「Oh my god!」を「Oh my gosh」と崩すことで神など直接の発声を避けたりするのと同じ理屈です。
日本では縁起の悪い漢字を良い意味の漢字に置き換えたり(豆腐→豆富)しますが、英語では音を崩したりすることで似たような効果を出すケースがあります。