BUZZFEEDが世界の「ポテトフライ」の食べ方を紹介する動画を作成しています。
この中で序盤にカナダの「プティン(Poutine)」が登場しています。
プティンは「これぞカナダ料理」と胸を張って言えるものが少ないカナダの貴重な「カナダ料理」です。
今回の「あの動画の映像だけでは短すぎて、まだまだプティンのことが分からない!」という方にもより詳しくプティンのことを知っていただくべく、私が住んでいるカナダ・トロントのプティン屋さんへ実際に行ってまいりました!
プティンとは??
プティンは、チーズカード(cheese curd)とグレービーソース(gravy sauce)がかかったフライドポテトのことで、フライにチーズにグレービーと、けっこう重めの食べ物ですが、それがまたくせになる一皿です。
国の歴史も浅いカナダ、プティンの歴史も浅く、40年くらい前にケベック州で、あるおじさんがフライドポテトとチーズを持ち帰り用の袋の中でうっかり混ぜてしまったのが発祥だとか。
発祥には諸説あるそうですが、現在ではケベックだけでなく、カナダ全土でも「カナダ料理」として市民権を得てきました。
Smoke’s Poutinerie!
今回、行ってきたのは、Smoke’s Poutinerie!
トロントには17店の店舗を構えているチェーン店で、キャッチコピーの”How do you like your poutine?”(あなたのプティンをどのように召し上がりますか?)は今回の動画の”How do you like your fries?”と似ていますね。
どのようにと聞くぐらいですから、スタンダードなプティンの他にも色々な味が用意されています。
私は、pulled porkとchili cheese baconをオーダーしました。
左がpulled porkで右がchili cheese baconです。
チーズカード、グレービーのほかに、pulled porkには細く割かれた豚肉が、chili cheese baconにはチリとベーコンがそれぞれポテトの上に乗っています。
ベジタリアン向けのベジメニューも用意されていて、あまりに豊富なメニューを前に、どれを頼んだらいいか迷っている私に「これも試したらいいよ!」とフレンドリーな店員のお兄さんは自分用に作ったpulled porkを譲ってくれたのでした…さすがカナダ!
さっそくいただきます!
ポテトの熱で溶けたチーズカードがとろりと溶け、どこまでも伸びてきます。くるくるっとまとめて、口へ放り込みます。
グレービーはけっこう味が濃いので、最初は少ししょっぱいかなと感じましたが、それがチーズと混ざることでマイルドになり、グレービーがよく染みた細い豚肉と合わさって、気がつけば私の右手は皿(?)と口の間をかなりのハイペースで何往復も…。
そして、ベーコンとチリが乗ったプティンもいただきました。
こちらはチリとチーズソースが味つけのメインなので、また違うお味。もう一つのプティンを食べた後にはなんだか味が薄く感じ、「これはチリとポテトと別に食べてもいいかな?」と感じたのでした。
友人と2人でしたが、結局お店では食べきれずに持ち帰り、その後、家でミッドナイトスナック(夜食)として完食しました。ごちそうさまです。
なんというか、最近できた食べものであり、ちょっとジャンクな感じが、日本で言うB級グルメ的ポジションなのかもしれません。
謎のおじさんの顔
ところで私がなぜこのプティン屋さんを選んだかというと、理由はこのおじさんの顔にあります。
なぜかトロントにはこのおじさんの顔だけステッカー(お店の名前もURLの記載も何もない)が至る所に貼ってあり、このステッカーがSmoke’s Poutinerieのものと知る前は、誰の顔なのか、どうしてこんなにもたくさんあるのか、不思議でなりませんでした。
お店の前を通りかかり、看板におじさんの顔を見つけた時のすっきり感は忘れられません。
暗いですが、私の友達のアパートの階段に実際に貼ってあるおじさんの顔ステッカーです。
リサーチしてみると、あるサイトでSmoke’sのCEOが採った宣伝戦略が紹介されていました。
街中の看板やテレビCMにはお金を使わず、Facebook、Twitterなどのソーシャルメディアとこのステッカー貼りを宣伝の柱とし、格段に少ないコストで人気のプティン屋になったそうです。
なんとレジ横にはあの顔ステッカーが!Smoke’sのリピーター客たちがこれを持ち帰り、好き好きに色んなところに貼ることで、さらなる宣伝効果をもたらしているそうです。
長くなりましたが、今回のプティン食レポは以上です。おじさんの顔ステッカーの謎も解け、私にとってもとてもいい機会になりました!日本のみなさんも食べる機会があれば、ぜひ挑戦してみてくださいね。