as ifとas thoughの違いについては、基本的には同じものだと思ってもそう間違いではありません。「まるで~のように」といった意味です。
ネイティブスピーカーにも確認しましたが同じと思っても問題ありませんが、やはり細かな差を突き詰めるとニュアンスの違いがあります。
例文を交えながら違いをご紹介します。一種の慣用表現、決まり文句になっています。
as ifとas thoughの違い
as ifが人が単に比喩、たとえ話で「まるで~のようだ」を述べているのに対して、as thoughは話し手がおそらくそうではないかと疑っている、感じていることをほのめかしています。
He is talking crazily as if he were on drugs.
彼はまるでドラッグをしているかのように、狂ったように話している。
He is talking crazily as though he were on drugs.
彼はまるでドラッグをしているかのように、狂ったように話している。
どちらも日本語にしてしまうと同じになってしまいます。また彼が本当にドラッグに手を出しているのかどうかも不明です。
しかし、as ifが単なる比喩・描写であるのに対して、as thoughは話し手がそうだろうと思っている、疑っているニュアンスが出ます。
例文による比較
結局のところ、この2つのニュアンスの差を取り違える、知らなかったとしても日常会話レベルではそこまで大きな影響を与える場面があまり思い浮かびません。
もう少し例文でニュアンスの差をご紹介します。
We danced as if it were the last time.
私達は最後の時であるかのように踊った。
We danced as though it were the last time.
私達は最後の時であるかのように踊った。
どちらも同じ日本語訳になってしまいますが、as ifだと悔いがないように情熱的に派手に踊ったのかもしれません。
一方のas thoughだと踊っている本人たちが「これが最後かも…」と感じている様子が文章から読み取れます。しかし踊りとしては同様に情熱的に派手だったのかもしれないしそれは不明です。
The ground was wet as if it rained.
地面は雨が降ったかのように濡れていた。
The ground was wet as though it rained.
地面は雨が降ったかのように濡れていた。
どちらも実際に雨が降ったのかどうかはよくわかりません。しかし、as thoughでは少なくとも話し手は「雨が降ったんじゃないだろうか…」と疑っている様子がわかります。
仮定法になる
注意点としてはどちらも仮定法過去の形を取るのが一般的なのでas if / as thoughの後ろは過去形になっています。
It’s as if I were a movie star.
私は映画のスターのようだ。
likeを使っても似たような意味になります。
=It’s like I’m a movie star.
ifを使っているのでここでは仮定法のwereを用いることががふさわしいですが、ネイティブスピーカーであってもそのルールに従っていない場合は多くあります。
It’s as if I’m a movie star.
(この表現も可能です)
またas ifは、後ろに名詞がくる使い方はできず、文節をともなうときにだけ使えることに注意が必要です。
He talks like a doctor.
彼は医者のように話す。
He talks as if he were a doctor.
彼は医者のように話す。
×He talks as if a doctor.
(この表現はできません)
まさか!
as ifはそれ単体でno way「まさか、冗談じゃない」の意味として使われますが、as thoughにその意味はありません。この使い方の違いもあります。
A:Do you like enka music?
A:演歌は好き?
B:As if.
B:まさか。
B:As though.
(この表現はできません)