previous

previousの意味と使い方

previousは「前の、先の」といった意味ですが、formerなどとの使い分けが難しく混乱する要素があります。今回はpreviousの使い方をまとめてみました。

基本的にはpreviousは順番の話をしているのであって、時間の流れについての表現ではありません。ネイティブスピーカーに意見を聞きながらまとめてみました。

あわせて『元〇〇、前〇〇を表すformerとex-の違い』も読んでみてください。

発音はprevious【príːviəs】なので「プリービァス」ぐらいが近いです。

previousは順番・順序の話

前提として理解しておくとわかりやすいのは「previous」が指すのは時間の流れではなく、シークエンス(sequence / 順序)の話をしている点です。

海外のブログなどを見ていても「previous(前の投稿を見る)」と書かれたボタンなどを見るかもしれません。prevとも省略されます。反対はnextやfollowing(followingの意味と使い方)だと考えていいと思います。

prev

ブログは書いた順番に表示されるので、時間的に古い投稿は、順番的に前の投稿になるので意味が重なります。

しかし場合によっては、時間的に古い投稿を目立つように前の順番に持ってくることもできます。こうなると時間の視点と、順序の視点が混在してきます。

まず前提としてpreviousが順序・順番の話をしているのだと思っておけば、混乱することも少なくなります。

the previous year / the previous day

「the previous 〇〇」のような「The」を伴った形になると、順番として「直前、1つ前」を指します。

年なら「前年」、日なら「前日」になります。直近の〇〇だと思って間違いありません。

「昨日(yesterday)」や「去年(last year)」と同じ内容を指している可能性はありますが、必ずしもイコールではありません。これは日本語でも同じです。

「私は5年前にフランスに行った。その前年(the previous year)にはイタリアに行った」みたいな文章があった場合には、イタリアに行ったのは「6年前」を指しています。

これをlast yearで表現してしまうと、去年(1年前)にイタリアに行ったことになってしまうので、文章としてはおかしいです。

previousにTheがつかない形になると「前の」となりどこの段階なのかは不明ですが順番として前を指しています。

previousを使った例文

今の時点が「2017年」であるという前提で書いています。そのうえで以下の例文を比較してください。

①I went to France in 2014 and the year before that I went to Italy.
(イタリアに行ったのは2013年)

①の書き方が一般的で混乱も少ないです。

②I went to France in 2014 and last year I went to Italy.
2014年にフランスに行った。去年、イタリアに行った。
(イタリアに行ったのは2016年)

②のようにlast yearを使うと去年の意味になり、2017年からの去年なので2016年です。

文脈が必要になるためシンプルな文書ではpreviousを頻繁に使うわけではありません。

以下の③ような例文になると「the previous year」がどこに基準を置いての「前年」にあたるのか不明確な部分が残ります。

③ I went to France in 2014 and the previous year I went to Italy.
2014年にフランスに行った。前年にイタリアに行った。

③の文章だと2013年にイタリアに行ったと読まれる可能性が高いですが、2016年に行った可能性も否定できません。「前年」の基準が現在(2017年)なのか、フランスに行った年(2014年)なのか両方の解釈が可能です。

③のような例文になるとシンプルすぎてもう少し文脈や詳細、書き方の工夫が必要になります。

以下のように書くとより2013年であることがはっきりします。

④I went to France in 2014 and the year previous to that I went to Italy.
2014年にフランスに行った。それの前年にイタリアに行った。
(イタリアに行ったのは2013年)

このような「前年」という言葉の混乱は日本語でも同じだと思うので、previousを使う場合には周囲の文脈に注意が必要です。

formerとpreviousの違い

formerとpreviousの違いはformerは「元〇〇」「過去において〇〇であった」であって裏を返せば「今はそうではない」の意味が強く含まれています。

previousは順番的に前であることを指し示しているだけであり、現在の状況については特に言及していません。

Barack Obama was the previous president.
バラク・オバマは(順番が1つ前の)大統領だった。

Barack Obama was the former president.
バラク・オバマは(直近の)元大統領だ/そして今は大統領ではない。

George W. Bush was a previous president.
ジョージ・W・ブッシュは(順番が)前の大統領だった。

George W. Bush was a former president.
ジョージ・W・ブッシュは元大統領だ/そして今は大統領ではない。

安倍首相のように第一次安倍政権、第二次安倍政権と2回なる場合などは少しややこしくなります。これは記事の後半にまとめています。

The previous year I worked in France.
その前の年(前年)に私はフランスで働いた。

The former year I worked in France.
(意味がわからない)

上の場合などは「元プロ野球選手」と同じ感覚で「元year」の意味になってしまうので、今はyearじゃなくて別の単位になっているのか? といった話になります。

The previous day I got married.
前日に結婚した。

The former day I got married.
(意味がわからない)

同じく「元day」になっているので意味がわかりません。

The former year / The former day

the formerには「前者」の意味があります。後者はthe latterです。この使い方があるので「前者の年に」といった文章があった場合にはThe former yearなどが見られる可能性があります。

I lived in France in 2008 and 2009. The former year I went sightseeing, and the latter year I worked.
私は2008年と2009年にフランスに住んでいた。前者の年(2008年)には観光に行った。後者の年(2009年)には働いた。

このようなケースならば「The former year」といった表記が登場することはありえます。


例文:元妻の場合

元妻に対してどれが使えるのかを1つ1つ検証してみました。ここでは以下のような結婚の履歴があるとします。

Jayne(最初の妻)→
Susan(2人目の妻)→
Carol(3人目の妻)→ 
Susan(2回目の結婚をして現在にいたる)

スーザンとは一度離婚してしまいましたが、キャロルと別れた後に、もう一度やりなおすために同じスーザンと再婚しています。

以下の文章はすべて状況としてあっています。

Susan is my current wife.

Susan is a previous wife.

Carol is the previous wife.

Carol is a previous wife.

Carol is a former wife.

Carol is the former wife.

Jayne is a previous wife.

Jayne is a former wife.

Jayne is not the previous wife.

以下は事実ですが混乱を招くので使わないほうが無難です。スーザンとは2回結婚しているので元妻だとはいえますが、再婚して現在の妻でもあるため誤解されます。

Susan is a former wife.
(理屈としては間違いではない)

例文:ジェームズ・ボンドの場合

スパイ映画として有名な007シリーズを例にあげると、この作品は主人公のジェームズ・ボンド役が代替わりしています。初代のショーン・コネリー(Sean Connery)にはじまり、現在は6代目のダニエル・クレイグ(Daniel Craig)です。

また映画作品をみてもショーン・コネリーが7作品に出演しており、この記事の段階ではダニエル・クレイグが最新の『007 スペクター』までで4作品に出ています。

【ジェームズ・ボンド役】
1.ショーン・コネリー
2.ジョージ・レーゼンビー
3.ロジャー・ムーア
4.ティモシー・ダルトン
5.ピアース・ブロスナン
6.ダニエル・クレイグ(現在)

【公開作品】
007 Dr. No(主演:ショーン・コネリー)
…(中略)…
Die Another Day(主演:ピアース・ブロスナン)
Casino Royale(主演:ダニエル・クレイグ)
Quantum of Solace(主演:ダニエル・クレイグ)
Skyfall(主演:ダニエル・クレイグ)
Spectre(主演:ダニエル・クレイグ)最新作

ここで問題になるのはpreviousをどうとるかで、役者単位で見るか映画単位で見るか、結論としては両方可能なので少しややこしいです。

Daniel Craig is the current James Bond.

Daniel Craig was the previous James Bond.

Daniel Craig was a previous James Bond.

Sean Connery was a previous James Bond.

Sean Connery is a former James Bond.

Pierce Brosnan was the previous James Bond.

上のような表現がすべて可能で、特に映画の単位で見ると現在のジェームズ・ボンドであるDaniel Craigも「the previous James Bond」になりえてしまうあたりが感覚的に難しいです。

Pierce Brosnan was the previous James Bond.
(役者単位で見ている表現)

Daniel Craig was the previous James Bond.
(映画単位で見ている表現)

例文:日本の首相の場合

最後に日本の首相をとりあげて検証してみます。安倍首相など2回首相になっています。同時に任期・第〇〇代でいえば連続しています。これはオバマ大統領などにも言えますが2期やっています。

アメリカの大統領は2期連続で大統領であることが可能ですが、一度辞めた人が再び大統領になることはありません。

しかし日本は安倍首相のように一度辞めても、もう一度首相になることが可能です。正確に書くと以下のような順番になっています。

90 Abe Shinzo(第一次安倍政権)
91 Yasuo Fukuda
92 Taro Aso
93 Yukio Hatoyama
94 Naoto Kan
95 Yoshihiko Noda
96 Shinzo Abe(第二次安倍政権)
97 Shinzo Abe
98 Shinzo Abe(現在)

以下の文章はすべて成立します。

Abe is the current PM of Japan.

Abe was also a previous PM of Japan.

Abe is a former PM of Japan.
(混乱するので使わない表現)

以下の表現は人としては安倍首相の前が野田首相になります。

Yoshihiko Noda was the previous PM of Japan.

しかし、第〇〇代では第二次安倍政権だけでもすでに3期務めているため3つ前になっています。「任期」を単位にしてみると視点が変わります。

アメリカ大統領も人物単位で見ると「ブッシュ→オバマ→トランプ」となりますが、任期で判断すると「ブッシュ→ブッシュ→オバマ→オバマ→トランプ」となります。

基本的には人物単位で判断しても問題ないと思いますが、文章によってはpreviousを使った場合に「トランプの前はオバマ。オバマの前もオバマ」と任期単位で表現してくるケースも考えられます。

今回とりあげたpreviousは反対の意味のfollowingにも同じことがいえるのであわせてご覧ください。

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