接続詞の「whereas」は「~の一方で、~に対して、しかし」といった意味で、何かを対比、比較する場合に用いられます。
butと似た意味ですが、使い方によってはwhileやon the other handでも同じような意味にもなります。
カナダ人のスティーブもいっていましたが日本人で「whereas」を言葉で使ってくる人が少ないし、不思議と教育の場でも抜け落ちている感じがするいまいち影の薄い存在です。
難しい単語でもなく、使えば高度な英語になるわけではないのですが、ポッカリと忘れられてしまったように、あまり見かけない単語な印象がありますね。
butとの違い、比較も含めてwhereasの使い方をまとめています。発音はweərǽzでwhere+asからなる言葉です。
whereasの使い方
基本的には何かを比較する場合に用いられる言葉ですが、主語の異なるものを比較・対照する場合に使います。逆にいえば同じ主語の場合は使わないそうです。
Although Canada is cold, it is safe.
カナダは寒いけれども、安全だ。
こういう場合の比較は「カナダ」という同一の主語で比較しているのでwhereasは使いません。
以下のような主語が異なるものを比較することができます。
Canada is cold, whereas Japan is safe.
カナダは寒い、一方で日本は安全だ。
butとwhereasの違い
butも同じ意味ですが、butのほうが明確に2つの概念が相反するものに対して使うことが多いそうです。
つまり比較するものが「大きい-小さい」「長い-短い」「金持ち-貧乏」「ある-ない」のように正反対、相反、対比的なものにbutを使います。基本的には逆接の意味です。
Starbucks coffee is expensive, but McDonald’s coffee is cheap.
スタバのコーヒーは高い、しかしマクドナルドのコーヒーは安い。
この場合は「高い/安い」「明るい/暗い」「ある/ない」のように明確に対をなすような概念です。接続詞ではありませんが、これはon the other handにも同じことが当てはまります。
Punk music is very fast. On the other hand, Enka music is mellow.
パンクはとても速いが、演歌はメロウ(遅い)音楽だ。
whereasは比較するものが、別に必ずしも正反対である必要はなくもう少し自由に使えます。これはwhileなどにも当てはまります。訳としては「~であるのに対して」「~である一方で」がよくあてられます。
I like Dragon Ball, whereas you like Naruto.
私はドラゴンボールが好きだ。その一方であなたはNARUTOが好きだ。
比べてはいるもののドラゴンボールとNARUTOは対極の作品でもありません。別にトヨタとホンダ、妖怪ウォッチとポケモンなどでも使えます。
I have money in my pocket, whereas you have a candy in your bag.
私はポケットにお金を持っている。その一方であなたは鞄にキャンディがある。
本当に関係ないことを2つ取り上げていますが、このような使い方でもOKです。while , meanwhileなども似たような意味です。
いちおう比較することが前提なのですが、そこまで明確に対比させる必要がない点が特徴です。
どちらでもOKなケース
butは比べているものがより明確に「対、対比、相反、逆説」になっているもので、whereasは比較しながらも別の概念などを比べることが可能と説明しました。
これは実際には境界線は曖昧でbutとwhereasを置き換えても極端に変な文章ができるわけではありません。
以下、カナダ人のスティーブに例文を作ってもらって比較していますが、基本的にはどちらもOKで、◎のほうがより良い言葉の選択だといった程度です。これらも人によって意見が変わる可能性があるぐらい微妙なところです。
結局は比べているもの同士がはっきりと対(高い/安いなど)になっているか? それともハンバーガーとコーヒーのように種類を比べているか? の問題です。
◎ Starbucks became an international chain in 1997 whereas McDonald’s has been international since the 70s.
◯ Starbucks became an international chain in 1997 but McDonald’s has been international since the 70s.
「スタバは1997年に国際的なチェーンになった。それに対してマクドナルドは70年代から国際的だ」みたいな意味ですが、年代の差は別に良い悪いのような対比にはなっていないのでwhereasが使われています。
◎ Starbucks’ main item is coffee whereas McDonald’s mainly sells hamburgers.
◯ Starbucks’ main item is coffee but McDonald’s mainly sells hamburgers.
「スタバはコーヒーを売る。それに対して、マクドナルドはハンバーガーを売る」みたいな意味ですが、これもメインにしている商品がテーマですが、ハンバーガーとコーヒーは別に対になるような概念ではありません。
◎ Starbucks sells Venti sized coffee but McDonald’s does not.
◯ Starbucks sells Venti sized coffee whereas McDonald’s does not.
これは「売っている/売っていない」の二択になるような考え方なのでbutが用いられています。
◎ Starbucks coffee is expensive, but McDonald’s coffee is cheap.
◯ Starbucks coffee is expensive, whereas McDonald’s coffee is cheap.
値段の高い・安いを比べているので、この場合はよりbutのほうが適切という意見です。
◎ Starbucks sells Venti sized coffee whereas McDonald’s sells large sized ones.
◯ Starbucks sells Venti sized coffee but McDonald’s sells large sized ones.
これもサイズの概念としてラージとベンティは対になっているわけではありません。
自然さを求めると上のように言葉の選択ができますが◯の文章でも別に変ではありません。これは人によって意見が変わるぐらい感覚的な差だといえます。