translate(翻訳)とinterpret(通訳)の違い

どちらも同じ意味ですが基本的にはtranslateは「翻訳」であり、主に書き言葉、文章をある言語からある言語に変えることに対して使われます。

一方のinterpretは「通訳」であり、話し言葉を別の言語に置き換える行為に対して使われるのがベースとなる考え方です。

この理解でも間違いないと思いますが、ネイティブの意見や実際の事例を交えながらもう少し掘り下げて考えてみることにします。

translateとinterpretの違い

日本の業界でも通訳者と翻訳者は明確に区別されているそうで、先に説明したように話し言葉と書き言葉の区分けです。

Murakami translated The Great Gatsby.
(村上春樹は『グレートギャツビー』を翻訳した。)

Murakami interpreted The Great Gatsby.
(*表現としてちょっと変です)

I translated for the ambassador when he visited Japan.
(私は大使が日本に訪問した時に翻訳をした。)

I interpreted for the ambassador when he visited Japan.
(私は大使が日本に訪問した時に通訳をした。)

上の例文では大使の言葉を通訳したという意味では「interpret」のほうがより良い適切な表現ですが、この場合に「translate」が変ではありません。

専門家や業界人は別としても、日本語でも「翻訳と通訳」が曖昧になるように英語もがっつり使い分けしているわけでもないそうです。

例えば旅先で言葉が通じなくて困って「通訳(翻訳)できる人を探しています!」と言いたいときにはtranslator/interpreterどっちを使ってもOKです。

translateの方が広く知られていますが、会話または文章で適切な表現が変わります。

A translator has to have strong writing skills.
(翻訳者はしっかりとした書く技術を持たないといけない。)

An interpreter has to translate on the fly.
(通訳者はその場その場で翻訳をしないといけない。)

interpret / interpretation

通訳する以外の意味では「解釈する、(文芸作品などを)読み取る」なども存在しており、以下のような日常生活でも使う可能性がある表現です。

I interpreted the story as a criticism of religion.
(私はその物語が宗教への批判だと読み取った。)

I interpreted his look to mean he wanted to go to the bathroom.
(彼の様子は彼がトイレに行きたかったのだと解釈した。)

名詞ではinterpretationになります。「翻訳・通訳・解釈・解明・演奏・演技」など幅広い意味があります。

通訳とはいうものの例えば手話などで伝えることもinterpretの範疇に入ります。手話はASL(American Sign Language)と呼ばれ、これもイギリスとアメリカで表現手法が異なります。

メガホン型翻訳機

ニュースでメガホン型の翻訳機「メガホンヤク」を取り上げたことがあります。

成田空港ではすでに導入されているパナソニックの製品で企業や公共機関向けに作られています。実際に使用している動画があります。

この形状から、話した言葉を自動翻訳してくれるドラえもんのひみつ道具のように見えますが、実際には自由文の翻訳はできず、事前に登録された300の文章を音声で照会して拾い上げてくるイメージです。

WiFiでクラウドに接続しており、頻繁に変わる数字の部分や、新しい言葉などの追加にも対応できる柔軟性はあるようです。

また形状的に1対多数に対して呼びかけるタイプの製品なので、イベントや空港、交通機関での誘導などに使われます。

実際にアプリ『ざっくり英語ニュース!StudyNow』の中で配信されたニュースを抜粋します。

This device will translate and announce certain phrases that are spoken into it from Japanese to English, Chinese, and Korean.
(この機械は特定のフレーズを翻訳してアナウンスするもので、機械に向かって話された日本語が英語、中国語、韓国語になる。)

However, the Megaphone Translator must have the phrases set up in advance and cannot translate on the fly.
(しかしながら、メガホン翻訳機は前もってフレーズをセットしなければならず、臨機応変な翻訳はできない。)

ニュース文ではメガホン型の「Translator」としていましたが、上に書いた説明に従うならば、会話を別の言語に置き換えている以上は「Megaphone Interpreter」のほうが適切ではないのか? といった疑問が浮かびます。

これに対してのカナダ人のスティーブの見解では、このメガホンは登録された言葉を置き換えるのみの能力しかなく、形としては音声になっているものの、実態としては文章翻訳に近い性質のものだという判断です。

interpret(通訳)とは、相手の言葉の大まかな意味をとって伝えることです。

話し手が「う~ん、あの、この件に関しては正解だと思います」といった場合は、「う~ん、あの」などいちいち訳していたら間に合わないし、主題は「この人が正解だと思っている」と伝えることにあります。

一方でtranslate(翻訳)は小説の登場人物が「う~ん、あの、この件に関しては正解だと思います」と言ったら、この「う~ん、あの」を含めて別の言語に置き換える作業です。

このあたりの境界線は曖昧ですが、ベースのところで似て非なる行為です。

戸田奈津子問題

映画の字幕翻訳の大家、戸田奈津子さんのインタビューがBuzzFeedに出ていました。ブラウザで開き直すと読みやすいと思います。

【インタビュー】字幕翻訳者・戸田奈津子さん「エッ?と思う字幕は、どこかおかしいの」(BuzzFeed)

ネットでも誤訳が指摘されることが多く、打線を組まれたりします。

私が思うのは義勇軍をボランティア軍と訳そうが、その星の宇宙人をローカルの星人と訳そうが、それは根本的なところでは問題ないように感じます。

翻訳の精度の問題はもちろんありますが、戸田奈津子さんがその言葉を選ぶならば、1つの正解であり、スタンスの問題です。インタビューを読んでもわかりますが、彼女なりのポリシーや指針が語られています。

StudyNowでも時間制限はありますが、WEBなのでいつでも修正できる状況です。これが仮に時間があり、本になって一生残るものならば、また取り組み方が変わります。字幕翻訳については私の知らない業界の制限がきっとかかっているんでしょう。

字幕翻訳とは「翻訳(translate)」といいつつも、映画字幕は文字数制限があり意味を伝える「通訳(interpret)」に近いものだと想像します。だから、意味さえ通れば個々の言葉の選択についてはあまり興味がありません。

しかし戸田奈津子さんが問題だと思うのは、『ロード・オブ・ザ・リング』のときにも話題になった、映画監督が伝えようとしたストーリーの意味合いやキャラクター造形をまげるような字幕をする点です。

こっちはけっこう問題というか、interpretできていない感じがします。大きな問題ですが戸田さんはインタビューでは指摘を認識していないように読めてしまいます。

Rosetta Stone(ロゼッタストーン)

ロゼッタストーン
写真は有名な語学サービスの名前にもなっている「ロゼッタ・ストーン」です。

今でもロンドンの大英博物館(入場無料)に行けば実物を見ることができます。

発見された時に3つの異なる文字「ギリシア文字」「古代エジプト語の民衆文字(デモティック)」「古代エジプト語の神聖文字(ヒエログリフ)」で、どうやら同じ内容が書かれているのだと推測されました。

結果的にロゼッタ・ストーンの発見によって謎が多かった神聖文字/ヒエログリフを解読する手がかりとなったという話です。ここから派生して慣用的に「謎を解明するための決定的な鍵」という意味で使われることがあります。

もともとはどう考えてもエジプトの所有物なので、ずっとエジプトは返せとイギリスに言っていますね。というか大英博物館によその国のものが多すぎて歴史の闇を感じます。

   


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