smorgasbord(スモーガスボード)はもともとはスウェーデン語で「smörgåsbord」と書き、パンとバターとテーブルを意味する言葉ですが食事の形態としてセルフ式の食べ放題なのでビュッフェと同じものです。
これが英語で食べ放題を意味する言葉として使われるケースがあります。
和製英語になってしまっている「バイキング」の名称の原点になっており、北欧形式の食べ放題であるスモーガスボードを日本に導入しようとした時に、発音がしにくく意味がわかりづらいため北欧つながりでバイキングになった経緯があります。
英語としてのsmorgasbord
発音は【smɔ́ːrgəsbɔ̀ːrd】なのでスモーガスボードでしょうか。いちおうスウェーデン語の発音も置いておきます。
smorgasbord【smɔ́ːrgəsbɔ̀ːrd】
smörgåsbord(スウェーデン語)
しかし、この用語の使い方は国によって違いが見られアメリカ、カナダではあくまで「種類がいっぱいある」ことに対して比喩的に使うことが多いです。
カナダ人のスティーブに聞いてみると、smorgasbordという単語を聞いたことはあるけれど、実際の食べ放題を指して使われているのを聞いたことがないそうです。
Kohaku is a smorgasbord of music.
紅白歌合戦は音楽の食べ放題だ。
This store offers a virtual smorgasbord of books.
この店は実質的には本の食べ放題(選び放題)を提供している。
The Brisbane River Festival offers an artistic smorgasbord to delight the senses.
ブリスベンリバーフェスティバルは、五感を楽しませる芸術的なスモーガスボードを提供する。
要するにビュッフェのように、自分で好きなものを選び放題なぐらい種類が多いことを比喩的に表す言葉として使われるのであまり実際のビュッフェを指しては使われません。
ブリスベンリバーフェスティバルは料理のお祭りではなく音楽、映画、絵などさまざまなアートがあるという意味です。
また日常での会話表現というよりも、広告宣伝の文章などで華やかに見せる単語として使われることのほうが多いそうです。
オーストラリアでは食べ放題を指して使う
一方でオーストラリアではビュッフェ形式の食べ放題を指して一般的に使われています。これはオーストラリア人男性のカールに確認してみました。以下の例文のように使います。
Let’s go to a smorgasbord tonight.
今夜、ビュッフェに行こう。
The restaurant has a smorgasbord on Fridays.
そのレストランは金曜日に食べ放題をやっている。
Let’s go somewhere with an all-you-can-eat smorgasbord.
どこか食べ放題のスモーガスボードに行こうよ。
少なくともこのように実際のビュッフェに対しては北米ではあまり使わないけれど、オーストラリアではわりと使われている点で扱いが異なる単語です。もちろんオーストラリアでもbuffet(ビュッフェ)も使われます。
オーストラリア人でも意見がわかれてカールは「すごく一般的だよ」という反面、オーストラリア人女性のジェインは「北米のように比喩的に使うほうが多いと思う。個人的にはbuffetを使うし、smorgasbordは古臭い感じがする」といっているので同じオーストラリアでも地域差や年代差がでるのかもしれません。
その他の食べ放題
smorgasbordという単語そのものは英語のネイティブスピーカーであれば誰でも知っているような言葉ではありますが、その使い方については少し地域差が見られるといった傾向があります。
他にも「食べ放題」を意味する単語などを以下の記事に整理しているので合わせてご覧ください。一般的には日本でも使われているビュッフェ(buffet)や、all-you-can-eatの表記が見られます。