slay(スレイ)は「kill」と同じで「殺す」の意味だと思って間違いありませんが、「殺す」の意味では古い言葉、文学・詩的な表現であって現代では使われません。
中世を舞台にしたようなファンタジー映画などで「殺す」の意味や、slayer(殺害者)といった言葉を見かけるぐらいです。
現代では過去分詞のslainで「殺害された」か、スラングとしての「笑わせる、爆笑させる、成功する」の意味で用いられることが大半です。
この記事の目次!
slayの意味と使い方
slay(スレイ)は「kill(殺す)」の意味ですが、「殺す」の意味においては古臭い文学的な言葉であって、現代ではほぼ使いません。
日本語でいう「屠る(ほふる)」のような、ちょっと普段使いしない華やかな言葉です。
『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ロード・オブ・ザ・リング』のようなファンタジー映画や、ヘビメタ系の歌詞や用語などで見かけるかもしれません。
The king slew the dragon.
王はドラゴンを殺した。
ファンタジー映画では「キングスレイヤー(王を殺すもの)」や「ドラゴンスレイヤー(ドラゴンを殺すもの)」のような言葉も聞かれます。slayerは「殺すもの、殺す人」です。
They arrested my brother’s killer.
彼らは私の弟の殺害犯を捕まえた。
They arrested my brother’s slayer.
(現代英語ではすごく変な言い方です)
大ヒット漫画の『鬼滅の刃』の英語版のタイトルは「Demon Slayer」です。
Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba, Vol. 1: Cruelty (English Edition)
slain
しばしば現代で見られるとすれば過去分詞の「slain」の形で、「殺害された」といった使い方です。ニュースでたまに見られます。
The mayor was found slain in his bedroom.
市長は寝室で殺害されているのが見つかった。
スラングでの使い方
これは「slay」のスラング的な使い方ともいえますが、同時に「kill」のスラング的な使い方と考えることができます。
「kill」が持つスラングの意味は、そのまま「slay」に置き換えても成立することが多いという話です。
例えばkillとslayには「抱腹絶倒させる、笑いこけさせる」のような意味があります。「殺す」の意味での過去形はslewですが、「笑わせる」の意味では過去形はslayedが使われています。
The comedian slayed(= killed) for ten minutes.
そのコメディアンは10分間、爆笑をとった。
That joke slayed(= killed)!
あのジョークは大爆笑!
バットマンのスピンオフ映画で売れない狂気のお笑い芸人を描いた『Joker』も、killで二重に意味をとっているのではないかといった意見です。
ほかにも「succeed(成功する)」に近い、うまくやるといったような意味もあります。これもkillとslayどちらでも表現可能です。
You slayed(= killed) that test!
テストうまくやったね!
「殺す」は力強い言葉でさまざまな解釈ができるので、いろんなスラングとして使われやすい単語だとは思います。