raise eyebrowsを直訳すると「眉毛をあげさせる」ですが、誰かの眉毛をあげさせることは、びっくりさせることを意味します。
勘違いしそうですが誰か他の相手の眉毛をあげさせることであり、自分の眉毛があがるわけではありません。
また片方の眉毛か、両方の眉毛か? 誰の眉毛かでちょっと意味が変わる面白い表現です。
raise eyebrows(両方の眉毛)
良い悪い両方の意味を含めて、「驚かす、とまどわす、混乱させる、心配させる、いらつかせる」などのニュアンスを含んでいます。ぎょっとさせるなども近いかもしれません。わずかに相手を不愉快にさせているようなニュアンスを含む時もあります。
以下のような表現の変化はありますが、誰かの眉毛をあげさせたことを意味します。この場合、1人の誰かの左右両方の眉毛ではなく、複数人の眉毛たちなので複数形になっています。
raise eyebrows
raise a few eyebrows
raise some eyebrows
以下の様な形で使うことができます。
You’re sure to raise some eyebrows with that short skirt.
(そのミニスカートで行けば、驚かすに違いないだろうね)
He raised a few eyebrows when he went to the store in a duck costume.
(彼はお店にアヒルのコスプレで入っていき、みんなを驚かせた)
She raised some eyebrows when she started singing during the business meeting.
(彼女は仕事の会議中に歌いはじめ、みんなを驚かせた)
自分自身、つまり主語になっている人の眉毛でも表現としては可能です。
Everyone raised their eyebrows when the president told them he was going to resign.
(大統領が退任するつもりだったと言ったとき、みんなが眉毛をあげた)
His eyebrows rose when his mistress walked into the restaurant.
(彼の愛人がレストランに入ってきた時、彼の眉毛があがった)
今回は詳しく触れませんが「raise(~をあげる)」と「rise(◯◯があがる)」の違いにも注意してください。
字面通りに本当に眉毛をあげたととるか、慣用表現として受け止めるかは微妙なところですが、どちらにせよ「驚いた」という意味がメインです。
片方の眉毛(eyebrow)
eyebrowと単数形になると「疑っている」といった意味で解釈されます。
ウインクをしてもらえるとわかりますが、逆側の眉毛が少しあがります。ずっとウインクした顔は「ん~」という感じ「なんか嘘くせー」みたいな疑惑、疑念混じりの意味ありげな渋い表情になります。
これは「cock an eyebrow」とも表現されることがあります。
He cocked an eyebrow and asked, “Are you sure?”
(彼は片方の眉毛をあげて、「確かなの?」とたずねた)
He raised an eyebrow and asked, “Are you sure?”
(彼は片方の眉毛をあげて、「確かなの?」とたずねた)
これも「片方の眉毛をあげて」と字面通りに解釈、訳してもいいとは思いますが、要するに「ちょっと疑っている」といったニュアンスが出ています。
なぜcockなのかといえば、よくわからないそうですが、おそらく銃の撃鉄(コック)の部分、引き金ではなく撃てる状態にするためカチっとコックを起こすことに由来するのではといった意見もあります。
She cocked her eyebrow at me as if she knew I was lying.
(彼女は片方の眉毛をあげた。まるで私が嘘をついているのを知っているかのように)
She raised her eyebrow at me as if she knew I was lying.
(彼女は片方の眉毛をあげた。まるで私が嘘をついているのを知っているかのように)
細かい部分ですが「eyebrow」と「eyebrows」の単数・複数と、誰の眉毛かによってニュアンスや意味が変わる面白い表現です。