rinciple(教義、原理)とprincipal(校長)はスペルが非常によく似ていて、発音も同じため間違えやすい言葉だといえます。カタカナにするとプリンシパルです。
もともと語源をたどれば同じ言葉にいきつくので、事実として似ている言葉、親戚のような関係にあります。元は「第一の、〇〇長」といった意味がベースにあります。
宗教関係と科学系でよくみられる言葉ですが、他にも使われ方があるのでご紹介しておきます。
発音については海外サイトもけっこう調べましたが基本的には同音だと認知されています。
principle / principal【prínsəpl】
principle
principleの根本にあるのは「ルールや倫理観、規範、教え、原理、原則」などで、土台となるような考え方や法則などを指しています。
この言葉が登場するのは宗教に関連する事柄か、科学系の文章などです。
教義・主義・道義
principleが宗教の文脈で登場すると「教義」のことを指しています。その宗教における土台となる教えのことと考えてもいいと思います。
Jedi principlesと書けば「ジェダイの教義、ジェダイのルール、ジェダイの教え」を意味します。faithは「信念、信仰」などの意味がありますが、Jedi faithと書けば「ジェダイ教」と考えるのが近いです。
イスラムの場合はIslamic faith(イスラム教)とIslamic principles(イスラムの教え・教義)のようになります。
I follow Jedi principles.
=I follow Jedi rules and ethics.
私はジェダイの教義/教えに従っている。
Jedi faith
=Jedi religion
無理に訳さなくてもいいかと思いますが、「~教である」といっているのと同じです。
I am a part of the Christian faith.
=I am a part of the Christian religion.
私はキリスト教徒だ。
原理・原則・法則
principleは、科学で使われるルール、「原理・原則」も意味します。こちらも土台となっているある程度の普遍性を持ったものとしては教義と同じ考えです。
Pareto’s principle states that 80% of a company’s business comes from 20% of their customers.
パレートの法則は、企業の売上の80%は顧客の20%が生み出していると述べている。
パレートはイタリアの経済学者で、経済において全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという法則を発見した人物です。
これは、しばしば働きアリの法則に用いられます。働きアリのうちの2割がせっせと働いて残り8割の食料も集めてくるといった法則です。しかしその2割がいなくなると、残り8割の中からまた2割が熱心に働くようになるそうです。
Many car companies apply the principles used in rocket design to their automobiles.
多くの自動車会社はロケットのデザインで使われる原理を自動車に適用している。
principal
一方のprincipalは「校長先生」の意味でよく登場します。
I asked my friends to back me up when I complained about the teacher to the principal.
校長にあの先生の文句を言う時に、私は友達に援護を頼んだ。
The teacher sent him to the principal’s office for being a class clown.
先生は彼がクラスのお調子者だったので校長室に送った。
もしくはバレエ団におけるトップダンサーをprincipal dancerと呼びますが、略してprincipalとも書かれます。以下は実際にあったニュースからです。
The Royal Ballet of Britain has announced that two Japanese dancers, Ryoichi Hirano and Akane Takada, will be promoted to principal dancers for the upcoming season.
英国のロイヤル・バレエ団は次のシーズンで日本人の平野亮一と高田茜の2人がプリンシパルに昇格すると発表した。
語源は同じ
語源をたどっていくと2つとも近いところに行きつきます。
principalはラテン語から古いフランス語を経て古い英語になっており、chief(〇〇長、チーフ)やfirst(第一の)といった意味が土台になります。校長にしろ、バレエのトップダンサーにしろ「第一の」という意味が残っています。
principleも同じくchief(〇〇長、チーフ)やfirst(第一の)といった意味が土台になっていますが、こちらは途中でfoundation(基礎・土台・根幹)を意味するラテン語(principia)を経由して今の意味になっています。
principleの方が意味が交じり合っていると考えてもいいかもしれません。
他にもprince(王子)なども途中フランス語も経由していますが同じラテン語の語源につながっています。
したがって同じ語源なのである程度、混同してしまうのはしかたない部分もあります。実際によく似ているし、ネイティブスピーカーの間でも間違いやすい単語として認知されています。