カタカナで使われるニッチは、英語でもnicheとなり「隙間産業」「特定市場」のように巨大ではあるとはいえないけれど、需要が存在しているものを指します。
他にも英語にはカタカナにはない「得意分野」や「お得意さん」といった自分が得意にしている分野を指して使われるケースもあります。
まれにですが花瓶などを飾る「壁にあいた穴、くぼみ」を意味することもあります。それぞれの使い方は例文で取り上げています。
発音は【nítʃ】です。読み方は以下の音声ファイルを参考にしてください。ニッチが近い読み方だと思います。
niche【nítʃ】
この記事の目次!
特定分野・隙間市場
カタカナでニッチといえば隙間産業のような、あまり大きな市場ではないけれども確実にニーズが存在しているマーケットを指して使われています。
英語のnicheも同じ意味があります。英語では他の意味もありますが、この「隙間産業」での使い方が英語でも同様にもっとも使われています。
多くは「niche market(ニッチマーケット)」や「niche product(ニッチな製品)」のように使われることが多いです。
Horror movies are a niche market.
ホラー映画は隙間市場だ。
It was an interesting but niche item on their menu.
それは面白かったが、彼らのメニューの中ではニッチなアイテムだった。
上の例文はお店の商品などで見た感じ確かに面白いものではあるけれど、実際に買う人となれば限られてくるだろうといった意味になります。
得意分野・快適な場所
英語でのニッチには名詞で「快適な場所、適所、得意分野」みたいな意味があります。
用いられるのは得意分野など個人の才能などに使われやすい表現です。
He found his niche in sales.
彼はセールスにおいて最適な場所・得意分野を見つけた。
彼は販売するという行為において、自分が快適に感じるポジション・役割を見つけたといった意味です。
This company has a niche in Asia.
この会社はアジアにニッチを持っている。
上の例文では快適な市場、得意な市場があることを意味します。先に紹介した「隙間産業」のような意味があるため、nicheを使うとさほど大きくないものを連想させますが巨大な安定市場を持っていても使える言葉です。
Mr. Big has a niche in Japan.
Mr.Bigは日本にお得意さんを抱えている。
Mr.Bigは80年代に活躍して今も活動しているロックバンドですが、本国アメリカより日本でのほうが売れている、稼いでいる感じがあります。このように書くと「おとくいさん」のようなイメージになります。
壁のくぼみ
あまり登場しませんが名詞で、像や花瓶などを置くために作られた「壁のくぼみ」も指します。
レアな使い方ではあるものの語源としてはこの意味は1600年代から使われています。おそらく現代の「隙間産業」の使い方はこのくぼみからの派生で、確かに壁にあいた花瓶などを飾るくぼみは現代の意味に通じるイメージもあります。
またその小さなくぼみにピッタリとはまるような物は、それにとって快適な場所、得意な場所であるといったイメージにもつながっています。
広い意味では日本式の「床の間」もnicheだといえます。
There is a niche in this room to hang a wall scroll.
この部屋には掛け軸をかけるニッチがある。