パイレーツ・オブ・カリビアンでジョニーデップが演じて人気となった海賊のジャック・スパロウが口癖のように「savvy?」と言う場面があります。
「わかった?」「おわかり?」といった意味で劇中ではDo you understand?と同じ意味で使われています。
ジャック・スパロウのマネをして遊ぶ子どもは別としても、現代の日常会話で「わかった?」の意味で使うことはほぼないと思っていいでしょう。
この使い方はそれこそ海賊がいた時代の古臭い表現で、今の時代にはこの動詞として使われることはまれだという話です。ジャック・スパロウのモノマネやジョークとして使うならば別ですが。
Do you savvy?
= Do you understand?
I don’t savvy.
= I don’t understand.
あまり英単語っぽくないのは言葉としてはラテン語、スペイン語の語源になるからです。
映画で覚える英会話なども有効だとは思いますが、時代背景が違うもの(しかも忠実に時代考証しているもの)や、ジャック・スパロウやヨーダのように喋り方やキャラに特徴がある人をお手本にする際は注意したいところですね。
日本語を時代劇で覚えたら変になってしまうのと同じです。
savvy(形容詞)
どちらかといえば、形容詞で「抜け目がない」「精通している」といった意味で使われることが多いです。
savvy gambler
(抜け目のないギャンブラー)
savvy guide
(実用的なガイド)
savvy traveler
(賢い旅行者)
このような使い方をする場合は、gambler、guide、travelerなど人を表すような単語がしっくりくるそうです。また以下のようにハイフンでつないで人物を描写することもできます。
wine-savvy friend
(ワイン通の友達)
Internet-savvy man
(ネットに精通した男)
特に悪い意味があるわけではありませんが文脈によっては「抜け目がない」「ちゃっかりしている」といった雰囲気が出ます。このあたりを悪い意味と判断するかは微妙です。
He is a savvy businessman.
(彼は抜け目がないビジネスマンだ)
He is a savvy salesperson.
(彼は抜け目がないセールスマンだ)
tech-savvy
特に最近になって目立つ、よく見られるような言葉に「tech-savvy(テック・サヴィ)」があります。これは文字通りコンピューターなどのテクノロジーに精通しているといった意味でよく使われます。
My mother is very tech-savvy.
(私の母親はとてもテック・サヴィだ)
パイレーツ・オブ・カリビアン
直接は関係ありませんが、この記事を書いているときにパイレーツ・オブ・カリビアンの最新作のタイトルが発表されました。
英語のオリジナルタイトルは以下の通りです。
Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales
日本語では「死人に口なし」などが意味が近いです。直訳すると「死んだ人間は物語を語らない」でしょうか。
なぜか日本語版は『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』に変更されています。
英語にすると『Pirates of the Caribbean: The Last Pirate.』
なぜこうなってしまったのかは広告やマーケティングの問題だとは思います。日本独自でシリーズ最終作品かのような雰囲気ですが、続きが出たらどう弁明するんでしょうか。
Top Image : Steve Berry