中国人観光客による大量の買い物が日本経済に貢献しています。ほかにも爆誕、爆死などさまざまな爆を使った言葉が聞かれるようになりました。
「爆買い」を英訳するといくつかのパターンが考えられますがニュースでは「heavy buying(ヘビーバイング)」としました。
重いなどのさまざまな意味がある言葉ですが、何かを強調したり、程度の高さを表す場合によく使われます。
ヘビースモーカーなどが良く知られていますが、さまざまな言葉に使えます。
He is a heavy smoker.
(彼はヘビースモーカーだ)
Pantera is heavy music.
(パンテラはヘビーな音楽だ)
England is flooded from heavy rain.
(大雨が原因でイングランドで洪水が起こっている)
何かの程度が大きなこと全般に使えるので日本語訳を考えると「重い、多い、濃い、激しい、荒い、厚い、強い、回数が多い、症状がひどい、規模が大きい、きつい」など、感覚的にわかるかもしれませんが、本当にさまざまな物事の程度を指すことができます。
バックトゥーザフューチャーより
爆買いそのものが新しい言葉ですが、なんにでもheavyを付けて強調するのはわりと現代言葉であることが映画『バックトゥーザフューチャー(Back to the Future)』からもうかがえます。
1985年から1955年にタイムスリップしたマーティーが、ドクとの会話で自分のお母さんから惚れられてしまったことを知る場面があります。
Marty: Whoa. Wait a minute, Doc. Are you trying to tell me that my mother has got the hots for me?
(ワオ、ちょっと待ってよドク。母親が俺に惚れたっていおうとしてるのかい?)
Doc: Precisely.
(そのとおりだ)
Marty: Whoa. This is heavy.
(ワオ、それはヘビーだ)
Doc: There’s that word again. “Heavy.” Why are things so heavy in the future? Is there a problem with the Earth’s gravitational pull?
(その言葉をまた聞いた。「ヘビー」。こういったことは未来ではなぜヘビーになるのか? 地球の重量か何かが問題なのか?)
先に紹介したようにheavyにはさまざまな意味があるので、昔から強調する意味でいろんな単語に使われてきました。
しかし、英語のマーティのように「This is heavy」だけだと「こりゃ、きついな」みたいな意味で、この使い方がちょっとスラングぎみだという話です。
とはいえ、この映画は1985年公開でもう30年以上も経過してしまっている点も考慮してください。少なくとも、このように単独で使う用法を1955年のドグは知らなかったことを意味します。
言葉の移り変わりをうまく表現した面白い場面ですね。