dub(ダブ)は映画などで別の言語に「吹き替える」といった意味で使われる言葉です。最近はあまり使われなくなっていますがビデオテープやカセットテープを複製する「ダビングする」も同じ単語です。
ほかにも「ニックネームをつける」といった使い方も存在しているので、ここでは英単語の「dub」の使い方を例文に整理してまとめました。
dub(吹き替える)の使い方
dubには「吹き替える」の意味があります。だいたい映画などにおける、もともとの言語を他言語に吹き替える行為を指すことが多いです。動詞・名詞の両方で使うことができます。
ほかの意味にもつながりますが、double(ダブル)から来ており、何かに重ね合わせるような行為に使われます。
She prefers subtitled movies to dubbed movies.
彼女は吹き替え版の映画よりも字幕付きの映画を好む。
Animated films are much easier to dub than live-action ones.
アニメ化された映画は実写版よりも吹き替えがかなり簡単だ。
The show will also debut with the original writer and reunite the Japanese voice actors who dubbed Full House.
またその番組は脚本家もオリジナルと同じで、さらに日本語吹き替え版では『フルハウス』と同じ声優陣が再び顔を揃えるだろう。
overdubは「多重録音する」といった意味で、別録音と考えるとわかりやすいかもしれません。バンドなどで全員がそろうのが難しい場合に1人1人録音をして後から重ね合わせるような手法です。
He overdubbed the guitars at a later time.
彼はギターを後で重ね合わせた。
字幕に関しては以下の記事にまとめています。
ダビングする
ビデオなどの「ダビングをする」という意味にもなりますが、最近は英語でも古臭い感じの言葉になっています。
Can you dub that tape for me?
あのテープをダビングしてくれる?
They sell a lot of bootleg dubs of movies in that country.
彼らはあの国で多くの映画の海賊版を売っている。
パソコンの時代になって、カタカナでもそうですが動詞では「copy(コピー)」が多く使われています。
〇 Can you copy that file?
△ Can you dub that file?
あのファイルをコピーしてくれる?
ダブ(音楽ジャンル)
また名詞で「ダブ」という重低音が響くレゲエのような音楽スタイルも表せます。これも重ね合わせる音楽スタイルからです。
He was up all night listening to dub and playing video games.
彼はダブを聴いたりビデオゲームをしながら一晩中起きていた。
He is really into dub.
彼はダブにはまっている。
ニックネームをつける
語源としては異なりますが、動詞でニックネームや呼称をつけるといった意味にもなります。
She was dubbed the Queen of Soul.
彼女は「ソウルの女王」というニックネームをつけられた。
The media dubbed the killer the Boston Strangler.
メディアはその殺人者を「ボストン絞殺魔」と呼んだ。
「ボストン絞殺魔」とは1960年代に米ボストンで起こった連続殺人事件の犯人のことです。
dubとdubbingの違い
以下は細かい差であり、映画に関する専門的な用語です。普通の人はあまり厳密に使っておらず、もし間違えてもおそらく問題ないと思います。
名詞で考えた場合にdubbingが「吹き替え(という手法)」を指し、dubが「1回の吹き替え(という行為)」を指します。
映画でいえばdubbingが吹き替えという技法・やり方そのものを指し、dubがある作品における1本分の吹き替えです。以下のように重なりあう部分もあってどちらでもOKのケースもあります。
◎ The 1969 dub of that movie was terrible, but the 2019 one was much better.
〇 The 1969 dubbing of that movie was terrible, but the 2019 one was much better.
あの映画の1969年版の吹き替えはひどかった。しかし、2019年版はかなり良かった。
作品の吹き替えがひどいのと、作品の吹き替えのやり方がひどいのは、結局は言っていることは同じです。
以下はやや自然さに差がでます。
〇 That movie has two dubs.
△ That movie has two dubbings.
あの映画は2つの吹き替えがある。
1つは有名人がゲストで吹き替えに挑戦したもの、もう1つはプロの声優が行ったものの2種類があるといった場合には「dubs」とするのがより自然です。
以下の場合は置き換えると論理的には間違いになってしまうケースです。
Dubbing technique has been improving.
吹き替えの技術は改良されている。
× Dub technique has been improving.
(これはたぶん間違い)