demandの使い方と仮定法現在

demand
 

公開日: 最終更新日:2019.12.2

demand(デマンド)は大きく2種類の使い方をされているのを見かけます。1つは名詞で「需要」の意味で経済ニュースなどでは必然的に頻度も高くなります。

もう1つが動詞で「~を要求する」の意味になります。こちらは少し文法的に「仮定法現在」と呼ばれる特殊な事例が見られるのでまとめています。

基本的な英単語ですが、なかなか使い道が広いという意味では面白い言葉です。

demand(需要)

demandは名詞で「需要」の意味でよく使われます。反対の供給は「supply」です。

日本語では『需要と供給』ですが、英語では『supply and demand(供給と需要)』のように語順が逆でセットにされるのが一般的です。

There is a large demand for dog grooming in Japan.
日本には犬のグルーミング(手入れ)に大きな需要がある。

He tried selling musical umbrellas but there wasn’t a demand for it.
彼は音楽が流れる傘を売ろうと試みたが、それに需要がなかった。

満たす場合、合う場合には「meet」がよく使われます。

on demand(オンデマンド)

カタカナでも定着した感じもするon demandは英語としても存在しており「要求に応じて、オン・デマンドで」の意味です。

ネット系のサービスなどはユーザーから映画が観たいといった操作があった場合に配信を行うのでオンデマンド配信です。ラジオやテレビはこちらが見ていなくても一方的に電波が飛んでいるのに対して、オンデマンドは要望があるたびに配信するという意味になります。

オンデマンドといえば新しい言葉になりますが昔からある「受注生産」などもオンデマンドの一種といえます。

The knives are made on demand.
その包丁は受注生産で作られる。

demand(動詞)

要求

動詞になると、かなりキツい感じの「~を要求する」となります。例文のように警察からの要求であったり、強気の要望です。

He demanded a higher salary or else he will quit.
彼はより高い給料を要求した。さもないと辞めると。

The police demanded I step out of the car.
警察は私に車から降りろと要求した。

どちらも程度としては、かなり高圧的な感じの要求になります。

もう少しソフトにすると以下の様な文章になります。

The police asked I step out of the car.
警察は私に車から降りるように求めた。

ネイティブの感覚

同じ意味ですが、ニュアンスが変わるそうなのでネイティブに意見を聞いてみました。

以下、警察が彼に車から降りるように求める場面ですが微妙にニュアンスが違います。また文法も異なります。

The police demanded he step out of the car.
(一般的でかつ、正式で堅い表現)

The police asked he step out of the car.
(正式で堅い表現)

The police asked him to step out of the car.
(一般的な表現)

The police demanded him to step out of the car.
(この言い方はあまり一般的ではない)

これらの違いはさらに詳しく別の記事にまとめました。

文法上の注意:仮定法現在

文法上の注意点としてdemandやrequest、orderなど要求・命令などの言葉の後ろの動詞は原形になります。

command, order, demand, request, suggest, recommendあたりの単語が登場すると見られるかもしれないので覚えておくといいかもしれません。

①The police demanded he step out of the car.

②I hope he likes that.
③I demand he like that.

②のhopeの場合は「S」がつくけど、demandなど特定の言葉を用いた要求・命令・提案には「S」がつきません。

文法上は「仮定法現在」と呼ばれるもので、現在の要求や命令で受け入れられるかわからない不確実なものに使われます。

要求や命令をしても、相手が聞いてくれないケースが考えられるからです。

この仮定法現在については文法書の『ロイヤル英文法―徹底例解』の記述を紹介します。

仮定法現在は、条件文などでは今は古い慣用表現か、形式張った格調高い文体でしか用いられないが、次に示すようなthat節中では、特に<米>で多く用いられる。この用法は<英>でも見られるようになってきているが、<英>ではshouldを用いることも多く、仮定法現在は改まった文体で用いられることが多い。「仮定法を用いた重要構文-ロイヤル英文法-」

説明にあるようにイギリス人のダンにも確認してみましたが、イギリス人でもshouldを使わない用法も一般的だそうです。いちおうshouldを使って書くと以下のようになります。

③I demand he (should) like that.

ちょっとややこしい話ですが、要求や願望を表す動詞の後にはこのようなルールが適用されるので覚えておいてください。



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