カナダ人のスティーブと話し合いになったのは以下の2つの文章が同じだという論争です。
①I have been to France.
②I have gone to France.
スティーブは①と②は同じ意味だから一緒だといいます。現在完了で使う分にはまったく同じです。
学校で習ったのは①は「フランスに行ったことがある(経験)」で、②は「フランスに行ってしまった/もうここにいない(完了)」といった解釈です。
日本の学校で教えてることが間違っているってこと? といった感じで、また時間をかけて話し合っていました。
結論からいえば、ネットで調べてみても最近は北米の英語で「have gone to」 を「経験」の意味で使うことが多いようです。
この記事の目次!
学校で習ったことと違う…
学校で習ったことと違ったのが不思議で、詳しく質問して確認しました。
基本的には文脈がすべてであって、以下の文章の意味は上下で同じです。
I have been to France.
I have gone to France.
I’ve never been to McDonald’s before.
I’ve never gone to McDonald’s before.
特に主語が「I(私)」だと目の前に自分がいるわけだから「行ってしまった / ここにいない(完了)」の解釈は基本的には成立しません。
主語を変えてみる
では主語をheに変えてみます。ここからスティーブ(ネイティブスピーカー)が読み取れることは以下の通りです。
He has gone to France.
彼はフランスに行った。
「今はフランスにいる」または「今はフランスにいない」のどちらか。
今フランスにいると考える→ 当然、ここにはいない → 行ってしまった、と考えて学校で習った「完了」の解釈も成立します。学校で習ったことが間違っているわけでもありません。
しかし、今フランスにいない → ここにいる → 行ったことがある、と「経験」で考えることも可能です。
他の表現との比較
結局はその文章からどのような情報をネイティブスピーカーが受け取っているのか?といった話にもなるので表現の比較を書いておきます。
He went to France.
彼はフランスに行った。
「今はフランスにいる」または「今はフランスにいない」のどちらか。
上の文章からは「彼はフランスに行った」としか読み取れないので、今の彼がどこにいるかはわかりません。
He has been to France.
彼はフランスに行った。
「今はフランスにいない」
上の例文では「今はフランスにいない」とわかるので、ここから「行ったことがある(経験)」といった解釈ができます。
実際にこの「have gone to」で「行ったことがある(経験)」の使い方は北米の英語では普通にあり、ネットでも日本語で解説を書かれている方がいました。
完了の意味を表すhave goneを使ってI have gone to the cafeteria.ということはできるのでしょうか。(美誠社)