「〇〇個のうち▲個が」「【数字】個のうち【数字】個が」といった表現をする場合に英語では「out」が用いられることがあります。このoutの使い方は慣れないと非常に混乱する存在です。
深く分類していくとかなり細かい話になってしまいますが、基本的なoutの使い方をご紹介します。「in」でも同じ意味は表現可能です。
この使い方は数字以外でも登場しますが、このページは数字に関する部分のみを取り上げています。数字以外の理由の説明などに使われるout ofは『out ofの「~から、~の理由で」の使い方』にあります。また熟語の「out of it」については『out of itの意味と使い方』にまとめています。
out of 数字の用法
日本語と英語の表現・感覚の大きな違いに「out」の使い方があります。
One in five cats is brown.
= One out of five cats is brown.
上の2つの文章はどちらも同じで「5匹の猫のうち1匹は茶色だ」となります。別にinを使うのが間違いではありません。
日本人にとっては「〇〇のうち▲個」「〇〇中▲個」など内側を指して「in」を使う感覚はよくわかります。
同じ内容を指しているのに反対の意味である「out」が使えてしまう不思議があります。
outの飛び出してくるイメージ
図にするとoutのイメージは以下のような感じです。outは飛び出しくるようなイメージ(come outなどのout)で考えるとわかりやすいかもしれません。
結局、どこを基準に考えるのかという話になります。これが両方成立するのは以下の理屈になります。
in:5匹のうち、5匹中で1匹が茶色(日本人的な感覚)
out:5匹から1匹を取り出すとそれは茶色(英語的な感覚)
スティーブも説明してくれましたが、outの感覚を不思議がるのはよくわかるそうです。
例えば8÷2=4といった数式があります。
これも考え方で「8の中に2が4個含まれている(in)」と考えるか、「8から2を4回取り出すことができる(out)」と考えるのか、同じ事象でも視点・考え方を変えるとin / outの両方が成り立つという理屈です。
はじめの数字で変わる表現
少しややこしいですが、例えば「one in five」などと表現する場合のはじめの数字が「1」である場合には、「A in B」「A out of B」の形のどちらも使えます。
One in five cats is brown.
= One out of five cats is brown.
5匹の猫のうち1匹は茶色だ。
しかし、そのはじめの数字が1ではなくもっと大きな数字の場合には、「A out of B」の方がより使われます。
◯ Four in five cats are cute.
◎ Four out of five cats are cute.
5匹の猫のうち4匹はかわいい。
また、はじめの数がさらにもっと大きい場合には「A in B」はあまり使いません。
△ 79 in 100 cats have green eyes.
◯ 79 out of 100 cats have green eyes.
100匹の猫のうち79匹は緑の目をしている。
表現の自然を求めると以上のようになります。
out ofの「out」がないケース
少しややこしい話ですがout ofのoutがなくてもOKな場合があります。これはややこしいので順番に紹介します。
もしそこまで必要がない方は読み飛ばしても問題ありません。
「〇〇人中、▲人がこれを好きだ」といった場合でも、ある特定のグループの範囲内の話(うちのオフィスの5人の女子社員のうち3人が嵐を好きだ)といった具体的なケースと、世の名の全般の事象としての話(10人中、3人が離婚している)といった割合のケースでは扱いが変わります。
一般的な事象について
以下のように特定のグループではなく、世の中の広く一般的なことに対して話すときはout ofとする必要があります。これは「割合」の話と考えてもいいと思います。
〇 Two out of five women like the Avengers movie.
× Two of five women like the Avengers movie.
上の例文は、世の中の女性の5人中2人がアベンジャーズの映画を好きだといったケースです。5人に2人の割合でと考えてもいいと思います。
〇 Three out of ten cats are grey.
× Three of ten cats are grey.
上の場合は、世の中に存在する猫の10匹のうち、3匹が割合として灰色だといったケースです。言い換えると「世の中の猫の30%が灰色」といった意味です。
もちろん上の数字はサンプル・例文なので事実とは関係ありません。
特定のグループについて
ある限定された特定のグループに対して使う場合はoutをなくして「of」だけにすることができます。
Two out of the five women in my office like the Avengers movie.
Two of the five women in my office like the Avengers movie.
上の例文では「私のオフィスにいる女性5人のうち、2人がアベンジャーズの映画が好きだ」となります。これは割合ではなく、具体的な数値の事実です。
Three out of the ten cats in my neighborhood are grey.
Three of the ten cats in my neighborhood are grey.
上の場合は「近所にいるその10匹の猫のうち3匹はねずみ色だ」となり、outがなくても大丈夫です。
表現の違いを比較
基本的には「out of」を使っていれば間違えることは少ないですが、以下のようなケースでは少し意味する部分が異なってくるので違いを取り上げてみます。
Two out of the five women in my office like the Avengers movie.
=Two of the five women in my office like the Avengers movie.
上の文章だと、このオフィスには5人しか女性がいないことになります。その5人のうち2人がアベンジャーズを好きだといっています。
Two out of five women in my office like the Avengers movie.
上のケースでは、このオフィスには5人またはそれ以上の女性がいることになります。
ここから読み取れるのは「5人に2人の割合でアベンジャーズが好きだ」といった割合の話をしているという意味です。10人いれば4人が好きであり、20人いれば8人が好きです。