until

untilの使い方に納得できなかった話

東京オリンピックの佐野研二郎氏のロゴ問題を取り上げたニュースで「until」の使い方にどうしても納得できなくて時間をかけて確認したことがあります。

例えば以下のような文章があります。

It was raining until the game started.
(ゲームが始まるまで雨が降っていた)

このゲームがはじまった後に雨はどうなったのか? が明確にわかる人ならば、この記事を読む必要はないと思います。結果的にはこの考え方の応用です。

前後の文脈を含めるとニュースでは以下のように使われていました。

「9月1日、東京オリンピック組織委員会は、佐野研二郎氏によってデザインされたオリンピックのエンブレムをもはや使用しないことを発表した。」

「当初より、エンブレムへの世間の反応は生ぬるいものだった。その後、フランス人デザイナーのオリビエ・ドビ氏は、東京オリンピックのエンブレムは、彼がデザインしたベルギーにある劇場のロゴマークの模倣である、と非難した。」

このあたりはみなさんの記憶にある部分だと思います。次の文章でのuntilの使い方です。

Although the committee staunchly stood by Sano’s emblem, other related accusations of plagiarism continued to pile up until they could no longer continue.
(オリンピック組織委員会は断固として佐野氏のエンブレムを擁護していたが、佐野氏の他の作品が盗用ではないかという非難が相次ぎ、やがて委員会はもはや支持を続けることが出来なくなった。)

untilに感じる疑問

上級者の人には問題ないかもしれませんが、この「until(~まで)」の使い方にどうしても納得できなくてもがいていました。

センテンスの後半部分は以下の要素から構成されています。

①他の作品にも盗作の告発がぞくぞくと相次いだ
②委員会はもはや支持できなくなった

この2つの事実を「until(~まで)」で繋ぐのが、うまく納得できなかったんですよ。

何も考えずに訳すと「委員会がもはや支持できなくなるまで、盗作の告発が相次いでいた」となります。

なんとなく以下の疑問を感じました。

【疑問1】:原因と結果の因果関係が変に感じる。委員会が支持しようがしまいが、告発はあったと思う。

【疑問2】:委員会がロゴの廃止を決めたあとの現在も、佐野氏の盗作告発はやんでいない。

この2つの文章を「告発が相次いだ、だから(so)、委員会は支持をやめた」や「委員会は支持をやめた、なぜならば(because)、告発が相次いだから」といったso、becauseでつないでくれれば納得できる気がします。

なんでuntilなんだろう?と不思議だったんですよね。

調べて聞いてみる

文法書は『総合英語FOREST第7版』『一億人の英文法』『徹底例解ロイヤル英文法』を使っています。

受験生には「FOREST」、社会人には「一億人の英文法」、職業にするような人は「ロイヤル英文法」ぐらいのおすすめ度です。

いろいろ調べたんですが納得いく回答がなく、ネイティブに確認をとりました。

ネイティブの回答

再び、冒頭で触れた文章に戻ります。

It was raining until the game started.
(ゲームが始まるまで雨が降っていた)

ここで疑問なのは、ゲームがスタートした後は雨はやんだのか? という問題です。

答えとしては「書いてないのでわからない」です。引き続き降っていたか、あるいはスタート時でやんだのかは不明です。

①のように書かれると「じゃあ、スタート後は雨がやんだな。雨だと試合もできないだろう、ゲームがはじまったということは雨はやんだんだろう」と勝手に想像してしまうかもしれません。

叙述トリックのように思えてしまいますが、文章は何もいってないです。そもそも室内でやる卓球の試合かもしれないですよね。

ここからわかるのは「ゲームスタート時までは雨が降っていた」という、この事実のみです。

untilが表せるのは時間の継続のみです。そこには因果関係や原因の説明などはありません。また、untilが示した時点以降のことについても記載されていない限りは何もわかりません。

ニュース文に当てはめる

すでにニュースやネットで他の情報を知っていたり、勝手に想像力を働かせると「until」が表現できること以上のものを頭の中に描いてしまい、自滅していく感じでしょうか。私がはまってしまったパターンです。

①他の作品にも盗作の告発がぞくぞくと相次いだ
②委員会はもはや支持できなくなった

ここでわかるのは「委員会が支持をやめるまで、告発が相次いでいた」という時間的な事実のみですね。その後に告発が続いたか止まったかの状況には触れていないし考慮もされていません。またどっちが先に起こったといった因果関係もありません。

ただ純粋に「委員会が廃止を決定したその日まで(until)、世の中では佐野氏への盗作の告発が相次いでいた」というその事実のみが、このセンテンスには書かれています。

「until(~まで)」でいいと思いますが、その後については何も意味しないので、勝手に想像するなという話でしょうか…。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

ピックアップ記事

  1. as tall asとas short asは同じ意味なのか?
  2. 英語で見たハンバーガーとハンバーグの違い
  3. ラピュタは売春婦!? ジブリ作品の英訳に学ぶ
  4. 本当は好きじゃなかった(笑)を英訳
  5. 日本人は本当に「無神論者で無宗教」なのか?

関連記事

  1. putとplace

    英単語の意味と使い方

    putとplaceの違い

    動詞で使った場合にはどちらも「置く」で一緒ですが、placeのほうが注…

  2. 英単語の意味と使い方

    double / dual / twinの違い

    ダブル、デュアル、ツインはそれぞれカタカナでもよく聞かれるなじみのある…

  3. クラッシュ

    英単語の意味と使い方

    crash / clash / crushの違い

    「crash」と「clash」は混同しやすいですが意味も発音も違います…

  4. bound

    英単語の意味と使い方

    bound for / 〇〇-boundの使い方

    boundという言葉が少しややこしいのは、いくつかの異なる言葉がたまた…

  5. 下痢

    英単語の意味と使い方

    下痢(diarrhea)に関する英語表現

    diarrheaは「下痢」のことですが、英語圏では広く、医者を除いて公…

  6. 山田太郎

    スラング

    英語における山田太郎のような名前

    日本における「山田太郎」のような、どこにでもいそうな名前を意味するのが…

おすすめ記事

  1. capital-letter
  2. センテンススプリング
  3. bread
  4. rich / wealthy
  5. ツイッター
  6. 保証する
  7. 英語の先生
  8. ハック
  9. deal with
  10. 炎上

重要英単語bot

重要英単語bot

最近の記事

  1. out-of
  2. 日焼け
  3. made-of-made-from
  4. cool(クール)
  5. vary
  6. as if / as though
  7. コーナー
  8. grind
  9. wipe
  10. practical
  1. both

    英文法とライティング

    neither / either / both / の使い方
  2. パイ投げ

    文化と体験

    パイ投げの文化について
  3. 基準を満たす

    日本語から英語へ

    「条件を満たす」「基準を満たす」を英語でいう
  4. loss(ロス)

    和製英語とカタカナ英語

    〇〇ロスを英語でどういうか?
  5. マンション・アパート

    和製英語とカタカナ英語

    英語のmansion(マンション)とapartment(アパート)の意味を考える…
PAGE TOP