支持する

「支持する」を英語でどう表現するか?

日本語の「支持する」を英語にしようとした場合には、その性質によっていくつかの言葉が考えられます。

何か揉め事があった場合に「〇〇さんを私は支持します」といった使い方もあれば、政党や政治家に対しての「支持する」も存在しています。

主に「stand」を使った表現を中心にまとめていますが、一般的な支持では「support」あたりが便利です。

心情的な話なのか、支援するといった物質、行動がともなうものなのか、政治の問題、個人・団体などについてなのかなど、いくつかパターンがありそうなので整理してみました。

stand byの使い方

stand byはいろいろな訳のある言葉ですが「(立場を)支持する」といった意味で使われることが多い言葉です。

His wife stood by him during the scandal.
彼の妻はスキャンダルの間、彼を支持した。

The committee stood by Mr.Sano
(オリンピックロゴ問題で)委員会は佐野氏を支持した。

I stand by Donald Trump.
私はドナルド・トランプを支持している。

stand byにはいくつか特徴があり、何かの事件や意見が割れるような揉め事、論争があった場合に、どちらかの立場を支持するといったニュアンスを持ちます。

上の例文は政治家・政党にスキャンダルなどがあった場合には「ドナルド・トランプの(立場を)支持する」といった意味になります。

したがって、普段のなにもない状態から政治家・政党を支持している場合には、後でご紹介するsupport(支持する、支える、応援する)などが合います。

またstand byはわりと身近な出来事、当事者として関われるような物事に使われる傾向があります。支持する側の人も当事者・関係者として関わっているケースや、その状況に影響を受けている人であることが多いです。

以前に世界の首脳陣たちが「ピザにパイナップルを乗せるのはありかなしか?」を巡ってツイッターでちょっとした論争がありました。

◯ I stand by my pizza with pineapple.

△ I stand by pineapple on pizza.

論争があって「自分が作ったわけでもない、世の中にあふれる無数のパイナップルピザを支持する」となると少し対象との距離が離れすぎています。しかし「自分の作ったパイナップルピザ」のようにmyがつくと、身近な問題・当事者として距離が近くなってstand byを使っても自然な表現になります。

byは「そばに立つ、近くに立つ」という意味の表現なので、世の中の漠然としたパイナップルピザだと、特定の場所に立ちようがありませんが、自分の作ったピザのそばならば立てる場所が明確です。

この場合は後で紹介するstand behindがぴったりする表現です。

stand behind

stand behindとstand byはほぼ同じような意味になります。少しstand behindの方が理屈よりも感情的に支持するような言葉です。この差は微妙なので気にしなくてもいいレベルです。

We stand behind our son who married another man.
私たちは息子が他の男と結婚したことを支持している。

I stand behind the president of my country.
私は自分の国の大統領を支持している。

◯ I stand behind pineapple on pizza.
◯ I stand behind my pizza with pineapple.
パイナップルピザを支持しています。

stand behindは感情的なものなので比較的自由に使えます。

本当に背後に立つの意味もありますが、その場合は習慣を表す現在形ではなく、進行形になったり何かしらの文脈を伴ったりします。

I need you to stand behind Mr. Smith for the photo.
写真撮影のために、あなたはスミス氏の背後に立ってください。

stand byとstandby(スタンバイ)の違い

カタカナになっている「スタンバイ」ですが、英語では「standby」また「stand-by」と書かれて、「キャンセル待ちの、予備の、交代用の」といった意味になるので少しカタカナと違います。

I bought a stand-by ticket for France.
フランスへのキャンセル待ちチケットを買った。

He is on the stand-by list to adopt a child.
彼は養子縁組の待機リストにいる。

このように正規のものがダメだった場合に適用されるものです。特に旅行関係で登場します。

準備万全の意味では英語ではほとんど見かけず、戦闘機等の用語ではひょっとしたら使うかもしれません。カタカナで「コンサートのスタンバイはOKだ」みたいに使われますが、英語ではこのような使い方をしない点には注意が必要です。

また動詞で使うstand byも本当に「そばに立つ、横に立つ」といった意味になるケースもあるので、これは文脈で判断します。

He is standing by a mailbox.
彼は郵便受けのそばに立っている。

I need you to stand by Mr. Smith for the photo.
写真撮影のために、あなたはスミス氏のそばに立ってください。

写真撮影などのときの「そばに立って」のような物理的な距離を意味するケースもあるかもしれません。

stand forの使い方

stand forも「支持する」の意味としてたまに使われますが、より一般的ではなくなります。またstand forは団体の問題などに使われる傾向があります。

The Republican party stands for lower taxes.
共和党は税金の引き下げを支持している。

Our charity stands for equal pay for women.
私たちのチャリティーは女性の平等賃金を支持している。

多くの場合、stand forは否定文で用いられて「我慢できない」といった意味で使われるケースがほとんどです。

I can’t stand for people spray painting walls in my city.
私の街の壁にスプレーで絵を描く人々に我慢できない。

We will not stand for a president who refuses to accept refugees.
難民受け入れを拒否する大統領を私たちは我慢しないだろう。

stand up for(かばう)

stand up forにも支持するの意味が含まれるケースがありますが、この表現は「~のために立ち向かう、かばう」といった意味が強くなります。

The committee stood up for Mr.Sano
委員会は佐野氏をかばった。

I stood up for Susan when the boss was yelling at her.
ボスが怒鳴っている時に、私はスーザンをかばった。

支持するというよりも、ボスに向かって「いや、スーザンは悪くないですよ。ボスも間違っている部分もありますよ」と、積極的にかばっている、向かってくるものを退けている意味が強くなっています。またスーザンが劣勢になっている、弱い立場になっていることを示唆しています。

ボスが怒鳴っているのが終わってから「スーザンの考えは間違ってないよ」というのはstand byのほうが近いです。

You have to stand up for yourself.
自分自身を守らないといけない。

自分の権利などを自分で守ること、自分自身のために立ち上がる、毅然とした態度をとるといった意味でもよく見かける表現です。

supportの使い方

stand byはあくまで何か事件や、揉め事があった場合に「支持する」といったことを意味しますが、supportはその度合いが少しゆるくなります。

カタカナで「サポートする」といえば具体的な行動を伴った形もありますが、英語では一般的な「応援する、賛成する、支持する」として特にこれといったことを自分がしていなくても使えます。

しかし、ある程度の状況は必要になるケースがあります。

I support Donald Trump.
私はドナルド・トランプを支持している。

Obama said he supported same-sex marriage.
オバマ大統領は、同性結婚を支持すると言った。

I support the Hanshin Tigers.
私は阪神タイガースを支持・応援している。

政治家やスポーツチームなどは、常に何かに挑戦している、戦っている状況なので「support」が使えます。日常的にファンである、応援をしている、サポートしているといった意味になります。

また警察や消防士なども、危険を伴う職業・チャレンジする性質のある職業なので、誰かから批判されたり攻撃を受けているわけではありませんが「警察を支持している」といった意味で使うことは可能です。

しかし、完全に何もないもの、まったく批判も受けていない、特に何も挑戦するような性質を持たないものに使うと、ちょっと変です。

× I support apples.
リンゴを支持している。

特にリンゴが何かに挑戦しているわけでもなく、収穫が減っている、誰も食べなくなっているなどの文脈がなく日常的すぎるものに「support」を使うのは変です。

ニュースでは屋内禁煙問題についてなどの多くの話題に登場します。以下はどこまで屋内禁煙にするかといったルール問題で各都道府県知事にヒアリングを行った際にsupportが登場しています。

However, only 14 said they support the Health Ministry’s plan to ban indoor smoking at restaurants, with an exception for small bars.
しかしながら、14人だけが厚生省の計画である、屋内での飲食店での喫煙禁止で小さなバーを除外することを支持すると言った。

support(具体的な動作)

上に紹介したのは「応援する、支持する」といった、どちらかといえば態度の問題でしたが、カタカナの感覚に近いフィジカルな動作を伴うものでもsupportが使えます。

This pillar supports the building.
この柱は建物を支えている。

I supported my disabled uncle while he got on the train.
障害のある叔父が電車に乗るときにサポートした。

Dell supports its customers through online chat.
デル社は顧客に対してオンラインチャットでサポートする。

これらのサポートは、手伝ったり、身体を支えたりといった物理的な動作を伴うものです。

in a show of support for / in support of

名詞でのsupportを含んだ形でもいくつか見られます。in a show of support forで「~の支持を表明して」、in support ofで「~を支持して」なので似たような意味です。

He protested the national anthem in support of black Americans.
彼は黒人達を支持して、国歌斉唱に対して抗議した。

He protested the national anthem in a show of support for black Americans.
彼は黒人達に支持を表明して、国歌斉唱に対して抗議した。

これはアメリカのスポーツの際などに、本来は起立するところを国歌斉唱中に膝をついて抗議の意思を表明した事件です。詳しくは『国歌斉唱中に胸に手を当てるのはアメリカの習慣』をご覧ください。

また普通に名詞を熟語でない形で使うことも可能です。

My teachers gave me a lot of support in this project.
私の先生はこのプロジェクトで、多くのサポートを私に与えてくれた。

この場合の名詞のsupportはアドバイスなどの具体的な動作や、応援してくれたといったメンタル、態度の問題まで含むことが可能です。

in favor of

in favor ofは裁判の判決、法律などを扱う時に見かける表現です。「~を支持して、~に賛成して、~を選択して、~の方を好んで」といった意味になります。

The court ruled in favor of Nintendo.
裁判所は任天堂を支持する判決をくだした。

I am in favor of same-sex marriage.
私は同性婚を支持している。

I’m in favor of the sales tax increase .
僕は消費税増税を支持している。

反対を表明する場合は「against」を使います。

I am against same sex marriage.
私は同性婚に反対している。

The court ruled against them.
裁判所は彼らに反対する判決をくだした。

I’m against the sales tax increase .
僕は消費税増税に反対している。

back up

back upでも「支持する」を意味することができます。これは別の記事で動詞としての「back」のさまざまな使い方をまとめているので、詳しくはそちらをご覧ください。

My wife backed me up when I fought with the neighbors.
私が近所の人とケンカをする時に、妻は私を援護した。

支持というよりも「支援」に近い言葉で、やや具体的な動作を含んだような表現になっています。金銭的な援助もbackで表現可能です。

pro(支持して・支持派)

これも別の記事に詳しくまとめていますが「pros and cons」のようにpros(賛成)とcons(反対)を表現することができます。

この中で頭に「pro-」をつけることで「〇〇の支持者だ」といった表現が可能になります。

She is a pro-Brexit candidate.
彼女はブレグジット支持の候補者だ。

アメリカで銃推進派の母親が、誤って4歳の息子に背後から撃たれる事件(怪我で済みました)がありました。そのニュースからです。

Hours earlier, Gilt boasted her son’s shooting skill on her pro-gun Facebook page.
数時間前、ギルトは銃支持ページのフェイスブックで息子の銃の腕前を自慢したばかりだった。

まれにプロフェッショナルのproと混同されるケースもあります。詳しくは別の記事にまとめています。

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