sick(シック・病気・吐き気・スラング)の意味と使い方

sick
 

公開日: 最終更新日:2023.03.6

sick(シック)は「病気」といった日本語が考えられますが、英語ではむしろ「吐き気がする」でとらえられるケースが多いです。

日本語でいう「気分が悪い、体調が悪い」ぐらいのけっこう漠然とした言葉であり、もちろん風邪などの「病気」の意味がないわけではありません。sick(シック)の意味が広すぎる問題があります。

feelを使うかbe動詞を使うかなどで伝わり方が異なってくるので非常に扱いが難しい単語だといえます。例文を多く用意したので参考にしてください。

sickは病気か? 吐き気か?

sickは病気か?吐き気か?

形容詞のsickを特に文脈なしで使うと、体調が悪いこと全般に対して漠然とした伝わり方をするので、それが何をさしているのかは文脈で判断するしかありません。

これは日本語の「気分が悪い」ぐらいの感覚であり、日本語も「気分が悪い」は「吐きそうだ」とも「病気である」ともどちらでも読めます。

sickは特に文脈なしで使うと「吐き気がする、むかついた、気分が悪い」といった吐き気に関する意味で読み取られるケースが多いです。

例えば文脈なしで以下の文章を読んでみます。

例文

I’m going to be sick.

(「吐きそうだ」と解釈される)

上の例文は「風邪をひきそうだ、病気になりそうだ」とも読めるのですが、前後の文脈なしでネイティブスピーカーがこの文章を読むと「吐きそうだ」と解釈する人が大半だという意見でした。

日本人の感覚では「シック」といえば風邪などの病気全般を思い浮かべますが、ネイティブスピーカーと話していると吐き気を中心に考えている様子が感じられます。

次のfeelを使った例文もネイティブに感覚で判断してもらいました。feelを使った文章の場合、2つの解釈が考えられます。

例文

I feel sick.

(吐き気 / 病気のどちらとも)

どちらの解釈も可能で1つが「吐くかもしれない、吐きそうだ」という吐き気としての意味です。もう1つが「風邪などの病気かもしれない」という解釈です。風邪などの病気の意味がないわけではありません。

be sickのように単純なbe動詞で使うと「体調が悪い、気分が悪い」といった意味に受け取られます。

例文

I’m sick.

(体調が悪い / 気分が悪い)

例文

A:How are you today?

B:I’m sick.

(体調が悪い / 気分が悪い)

このように書くと吐き気ではなく「体調が悪い、気分が悪い、病気だ」といった漠然とした意味で解釈されます。

sickそのものがかなり広い意味なので、風邪を引いた場合には「I have a cold」や、頭痛には「headache」などの言葉で伝える方がより的確です。

sickの使い方

結局は文脈次第であり、もう少し前後の文脈があれば明らかに「吐きそうだ、気分が悪い」になります。以下の例文は「病気」と考えるとちょっと変です。

例文

He felt sick after riding the roller coaster.

彼はジェットコースターに乗った後で吐き気がした。

例文

I can’t eat too much chicken or I’ll be sick.

これ以上のチキンは食べられない。そうでないと吐くだろう。

例文

He was feeling very sick and his face turned pale blue.

彼はかなり吐き気を感じて、顔が青白くなった。

例文

That chocolate made me sick.

あのチョコレートで吐き気がした。

また比喩的な表現として人間以外の経済などにも使うことができます。あくまで比喩であり「日本経済は病気だ」といった日本語がありかどうかは見解がわかれます。

例文

The economy is sick.

経済が病気だ。

この場合は「not well(よくない)」ぐらいの意味で、最悪・崩壊しているとまではいわないけれども悪い状態だといえます。

sick joke

sick jokeといえば悪趣味なジョークのことで、だいたい死体を扱ったりといったものを指すことが多いです。

例文

At first she thought the dead body was some kind of sick joke.

最初、彼女はその死体は悪趣味なジョークのたぐいだと思った。

上の例文は最初に死体のようなものが道にあるのを見てたちの悪い、悪趣味などっきりみたいなものだと思ったといった内容です。

例文

I don’t like those Saw movies. They’re kind of sick.

あれらのノコギリの映画は好きじゃない。ある意味で病的だよね。

sick from school / sick from work

病気のため仕事や学校を休むことです。

例文

My best friend was sick from school today.

私の親友は今日病気で学校を休んだ。

例文

I was sick from work for two days.

私は病気で仕事を2日間休んだ。

スラングでのsick(かっこいい、グレート)

その一方でsickには「すごくいい、かっこいい」のようなgreatやcoolに近い意味での使い方が存在しています。

例文

I love those movies. They’re sick!

あれらの映画は大好きだよ。すごくいい!

先に紹介した「病的である、悪趣味である」との見分け方は文脈次第です。短いとどちらかわかりません。

例文

The movie was sick.

(すごくいい? 悪趣味?)

またこれらは口語表現、会話表現におけるスラングなので、言い方や抑揚の付け方を聞けば、ポジティブな意味で使っているのか、ネガティブな意味で使っているのかは、明らかなケースが圧倒的です。

単純な文章ではあまり見かけません。以下のような単純な文章で書かれているとネイティブでも解釈がわかれます。

例文

Ohtani is a sick player.

大谷は???な選手だ。

上の文章の解釈は大谷は「すごい選手だ、かっこいい選手だ」「病気の選手だ、体調の悪い選手だ」「人を不快にさせる悪趣味な選手だ」の3つぐらいの可能性が考えられます。

ただ実際は前後に大谷に関する話題があって、言い方も興奮ぎみだったりするので、どれを指しているのかははっきりしているケースが多いです。

sick bag(エチケット袋)

sick-bag

飛行機やバスの座席に備え付けられている嘔吐用の袋は英語では「sick bag」と呼ばれます。日本語でもエチケット袋、ケアバック、げろ袋などさまざまな名称があります。

例文

I needed a sick bag after eating some bad fish.

悪い魚を食べた後で、エチケット袋が必要だった。

例文

Please ask the driver to provide you with a sick bag.

運転手にあなたにケアバッグを提供するように頼んでください。

「吐く」を英語でいうには?

吐くことの英語表現は種類が無数にありますが一般的に「throw up」「vomit」あたりで表現できます。

例文

I’m going to be sick.

= I’m going to vomit.

= I’m going to throw up.

吐きそうだ。

sickの意味が幅広いので必ずしもイコールにならないかもしれませんが、上の3つの表現はほぼ同じ意味です。

人によっては「sick up」と言う人もいるそうです。

例文

I’m going to sick up.

この使い方はややスラングぎみ、一般的な感じではなくなるのでご注意ください。

sick of / sick and tired of(うんざりする)

スラングとしても広く使われるsickですが、sick ofで「うんざりする、あきあきする」の意味になります。

これは「sick of」「tired of」「sick and tired of」などバリエーションがありますが言っている内容は同じです。

例文

I’m tired of news about Trump.

I’m sick of news about Trump.

I’m sick and tired of news about Trump.

トランプのニュースはもうあきあきだ。

例文

A lot of people are tired of high taxes.

A lot of people are sick of high taxes.

A lot of people are sick and tired of high taxes.

多くの人々が高い税金にうんざりしている。

ほかにも「fed up with」などが類似の表現にあたります。

sicken(動詞)

動詞ではそのまま「吐き気をもたらす、~をむかつかせる」といった意味になります。

例文

The roller coaster sickened him.

ジェットコースターが彼に吐き気をもたらした。

例文

Seeing the dead animal on the road sickened her.

路上の動物の死骸を見たことが彼女に吐き気をもよおさせた。

これは日本語の「反吐がでる、吐き気がする」と同じで文字通りの意味ではなく「吐き気がするほどむかつく、不愉快」といった意味でも用いられます。

例文

The man’s racist comments sickened him.

あの男の人種差別的なコメントが彼をむかつかせた。

sickness(名詞)

病気をあらわすillnessとsicknessは意味としてはほぼ同じです。風邪や頭痛みたいな病気、体調の不良です。

sicknessは乗り物酔い(motion sickness)や、つわり(morning sickness)といった意味でも使われるので、これは実際の病気というよりも「体調の悪さの意味」が強いです。

逆にいえばエイズや癌のような深刻な病気に対してsicknessをあまり使いません。

diseaseなど他に病気を表す言葉も多いので比較しながら以下の記事にまとめています。



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