赤ちゃん

アメリカと日本の育児方針の違い

アメリカで9歳の女の子が作っていたニュースサイトがあり、ペンシルベニアの小さな町のちょっとした情報をブログと動画で配信していました。

しかし、その町で本当に殺人事件があり、彼女が実際にレポーターとして現場に出向いて速報ニュースを動画で配信しました。

9歳の女の子による殺人事件のレポート動画

動画編集は姉が手伝っており、父親は元ニュース記者だったそうで、そういった影響もあるでしょう。

これがアメリカで大きなニュースになり、大人からは「9歳の子どもがそんなことするな!!」といった批判もけっこうあったようです。

彼女はそういった大人からの批判の声に自らはっきりした口調の動画でやりかえしています。

このあたりにアメリカの子育ての方針を見て取ることができます。

アメリカと日本の育児

この少女は、アメリカの「子供が幼い頃から自立心を養う」という教育方針をうまく反映しているように思えます。

アメリカでは赤ちゃんが生まれる前に個室を用意し、ヒーローや妖精等のテーマを決めて壁を塗り替え、ベッドや家具を揃えます。最近は添い寝が良いという考えも出ているようですが、赤ちゃんは夫婦とは別にその部屋で寝る事になるのです。

私はアメリカで日本人夫との間に2人産んでずっと添い寝をしているので、検診に行く度に「赤ちゃんはベビーベッドに1人で寝かせている」という項目に×をつけては先生の目をひいていました。

「1人で寝かせて泣いたらどうする?」と言う疑問ですが、新生児であればモニター等を置いてすぐにミルクや母乳をやるなど対応するものの、乳幼児くらいになるとどんなに泣いたり嫌がったりしても徹底的に放置です。

何時間も泣き叫ぶ日々を繰り返すうちに「泣いても無駄だ」と認識し、子供は一人で寝るのが当然と思うようになり結果的にそれが自立心を育てるのです。

泣いてもほったらかし

泣く赤ちゃん

我が家の向かいに住んでいる夫婦の女の子が1歳半くらいだった頃、夜中に泣き声が何時間も止まらない日がありました。

この風習は分かっていたのですが、夫と「仮に夫婦に何かあって(倒れたり不在など)子供1人なんてことも無きにしも非ず」と話し警察を呼ぼうか迷いましたが、翌日から何日も続いたことで「あーやっぱり”始めた”んだな」ということで静観、近所も夜中に起こされて不眠の日々に付き合わされるわけです。

5日程でそれは無くなり、後でその子の父親が「いや~やっと慣れてくれたよ、あっはっは」と嬉しそうに笑っていました。(日本人の我々からすると近所迷惑も気になりお詫びのカードでも出しそうですが)

アメリカ人を夫に持つ知り合いの日本人女性が2歳の子供を連れてきた時も子供が泣きすがっているのを無視しており、見てる方が可哀想になるくらいでしたが「別にいいの」の一点張りでした。

私個人の意見ですが、乳幼児が泣くのには理由があり何かを必要としているはずなので3~4歳くらいまでは対応し、それ以降は放置しても良い時があると考えています。

日本だったら泣く子を放置というのも罪悪感がわく人もいるでしょうし、周囲からは育児放棄とも取られかねません。

日本では家が小さく子供1人1人に別室を与える余裕はないことも多く、昔から一家川の字になって寝ることが普通になり→母乳育児が浸透→添い寝が一般的なので、この違いは住宅環境によることも大きいかもしれません。

親子で寝室を分ける

寝室をわける

寝室を分けるという風潮は、子供の自立心を養う他に夫婦だけの時間を大事にし、親子間でもプライベートを守るという目的も果しています。

そこから「家庭の中心は夫婦=社会の中心は子供ではなく大人」という観念を植え付ける作業が早くも始まっているわけで、同時に次の子作りにも影響し、だから欧米の出産率は日本よりも高いのでしょう。

昼間の子守や保育園への送迎等をベビシッターに頼むことも多く、1歳未満の子でもシッターに預けて夫婦二人で出掛けてデートしたり夕食をしてくる事は一般的です。

上記の夫婦宅にもティーンの女の子がシッターで出入りしており、夫婦でジムにいったりしています。

自然出産で痛みに耐えることが美徳とされ、無痛分娩が欧米ほど浸透していない日本は何においても「忍耐」する姿が根強い一方、アメリカは生きる上で「とにかく苦痛を退け楽をする」ことに重点をおきます。

よって赤ちゃんが生まれるから子供中心の生活、とはならずあくまでも自分の人生を楽しむことに手を抜かないのです。

社会もバックアップする

夫婦

それと同様、夫婦に息抜きをさせるために保育園施設や学校が低料金でサービスする「Parents’ Night(ペアレンツ・ナイト)」というのがたまにあり、夕方から子供の面倒をみて夕食を食べさせ映画を見せたりしてくれるため、夕方から夫婦のみで出かけることが出来る日があります。

これらの背景には共働き・離婚率が高いためとも言われていますが、決して子供への愛情が薄いというわけではありません。子供が幸せになるにはまず夫婦円満で親が満たされていないとそれは叶わないという考えがあるのだと思います。

自立を促す為の寝室分けを説明しましたが、同時に子供が何歳であっても一個人としてしっかり尊重します。

子供がメインのイベントとなれば父母関係なく家族一家で参加、休日は家族の時間を大切にします。学校のボランティアなども、日本のPTAだと係りを押しつけあって嫌々引き受けるイメージがありますが、こちらは我が子の為だからと積極的に参加する人が多く募集はすぐに埋まります。

アメリカ式の弊害

ただこの尊重が、悪い方向に働いているのではないかと思うこともあります。

例えば大抵のレストランには子供用の塗り絵やクイズがついた子供用メニューとクレヨンがあり、ハンバーガー、ピザ、ホットドック、マカロニチーズなど出してくれるのは良いのですが、結局そういう本人が好きな物しか食べさせず、好き嫌いが激しく食事も好きなものだけ食べるか、ひどい場合にはおやつやデザートしか食べない子も多く、肥満や病気がちの人間が増加するわけです。

それを個人の尊重として注意しないのか定かではありませんが、「個人主義」の浸透もそこまでいくとどうかなと正直感じます。要は尊重が本人にとって都合の良い逃げ道になっていないかということです。

話し合いの場や意見交換などのシーンでも、例えば「自分がこれを言ったらあの人は傷つくかもしれないから黙っていよう・言い方を変えよう」などという裏を一歩読んだ他人への配慮が日本人はできますが、アメリカ人は自分の本音が1番なので他人に譲るということがあまり得意ではないように見えることもあります。

よって、物事をはっきり言うアメリカ人を見てびっくりする日本人がいるのでしょう。

それでも小さい頃から「自分は自分。大人は大人」という感覚で育ち、良い意味で子ども扱いされない子供達は自己主張ができる大人になるので、アメリカの子は何歳であっても聞かれたことにしっかり意見を言えるようになり、早くから自分の言動に責任を持つように見えます。

今回の少女はまさにその例だと思います。

一見「自由奔放」に見えますが、社会に出てからも己を失わず生き残れるようなアメリカの力強い教育と、日本文化のように自分は一歩ひいて他人を思いやる「奥深しさ」のバランスをうまく保てた教育を自分の子にはしていきたいと再認識させられました。

英単語としてのペアレンティング(parenting)に興味がある方はこちらもあわせてご覧ください。

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