ムードメーカー

和製英語の検証「ムードメーカー(mood maker)」

結論からいえばmood makerといった単語は英語圏には存在せず和製英語になります。ただネイティブに確認してみると、言葉の意味としては通っているし変な印象を与える英語ではないそうです。

ではムードメーカーをどう英語に置き換えるのか? は文脈やジャンルによって使い分けることができそうです。

全体としていえるのは日本の「ムードーメーカー」にぴったりくる英単語がないそうです。

カタカナの「ムードーメーカー」の定義そのものも曖昧で、お笑い的な要素で場の空気をなごませるのか? 高い技術や演説で雰囲気を変えるのか? あるいは1回きりの動作なのか? 常にそういう存在なのか? で言葉や表現が異なってくるそうです。

以下はカタカナの「ムードメーカー」の意味に近そうな英語をピックアップしています。

leader

ニュースではガリガリ君で有名な赤城乳業の新製品発表会で広報担当者がコメントで「アイス業界のムードメーカーとして、冬のアイス売り場を盛り上げたい」と語っていました。

日本語から英語に置き換える段階で「ムードメーカー」という単語が、英語では「leader」に置き換わっています。

指導者の意味ではなく、先導者といった位置づけで、何かをやれば後から続く人がいる行為の先頭に立つ人です。結果的にその分野が盛り上がっていく、全体として業界の空気が変わっていく、という意味での意訳に近いものです。

Many people say that Google is the leader in many IT fields.
(多くの人々はグーグルは多くのIT分野でのリーダーだという)

Googleがやれば後から続く会社があり、結果的に盛り上がる、という話です。このあたりはビジネスニュースでの意訳の色合いが濃いかもしれません。

リーダーといわれると納得できる部分もありますが、カタカナのムードーメーカーはむしろ主役ではない感じがするので、けっこうギャップがあります。

life of the party

他にもlife of the partyという表現もあり「パーティーの主役、場を盛り上げる人、人気者、座を楽しませる人」などの意味があります。

He is the life of the party.
(彼は盛り上げ役だ)

他にもheart and soulで「心の拠り所」などの意味があり、これは精神的支柱に近い意味でしょうか。

これらの表現はlife and soul, heart and soulなど、さまざなま形があり国や地域によって使われ方が異なっているようです。

He is the heart and soul of the Detroit Tigers.
(彼はデトロイトタイガースの心の拠り所/中心選手だ)

class clown

クラスクラウン

class clownは訳せば「クラスのピエロ」のことでクラスの道化役、お調子者といった意味があります。これなどはわりと「ムードメーカー」の意味することに近いのではないでしょうか。

英辞郎には『「皆を笑わせる愉快な人」という肯定的意味で使われることが多いが「受けを狙って変なことをする奇人」という否定的意味を持つ場合もある』とあります。

スティーブにも確認してみましたが、これはあっているそうで、たまに「クラスを乱すような存在」として否定的な意味で使われるケースもあるようです。

The teacher sent him to the principal’s office for being a class clown.
(先生は彼がクラスクラウンだったので校長室に送った)

良い意味で使われるケースも多いので、文脈で判断するしかありません。

Munenori is the class clown of the Cubs locker room.
(宗則はカブスのロッカールームのクラスクラウンだ)

いわゆるムードメーカーとして人気のシカゴ・カブスの川崎宗則などクラスクラウンといえるでしょう。このように学校だけでなく職場やスポーツチームにも使えます。

この文章で使われているクラウンはピエロのことですが、ピエロはフランス語なので英語圏ではあまり通じません。

cheer up

無理にムードメーカーに相当する言葉を使わずに、場の雰囲気をなごませる動作1回だけを表すならば、cheer up(元気づける、励ます、活を入れる、気を引き立てる)などが使えます。

He cheered everyone up by doing an impression of Arnold Schwarzenegger.
(彼はアーノルド・シュワルツェネッガーのモノマネで場を盛り上げた)

これも一回だけの動作でなく、現在形で普段からそうしている習慣的な行動、態度を書けばムードーメーカーに近いものになります。

He cheers everyone up by doing an impression of someone famous.
(彼は有名人のモノマネで場を盛り上げる)

無理にひとことで置き換えようしなければ、同じ意味を伝えることも可能ではないでしょうか。

icebreaker

icebreakerの単語もありますが、これは人に対して使うのではなく、場を和ませ緊張感を和らげる話題やジョークそのものを指してアイスブレイカーと呼ぶので、ムードメーカーとは使い方が違います。

The president told a joke before his speech as an ice breaker.
(大統領は演説の前にジョークをアイスブレイカーとして語った)

このような使い方をするので人間に対しては用いない点が異なります。

comic relief

物語の役割になりますが「コミック・リリーフ」が意味するところもムード・メーカーに近いかもしれません。

コミック・リリーフはシリアスなストーリーにおいて、道化役を演じることでストーリーにメリハリを与えるような人・役割・場面を指します。

どこあたりまでをコミック・リリーフと定義するのかは見解がわかれそうですが以下のように使います。

Mr. Satan was the comic relief in Dragon Ball.
(ミスターサタンはドランゴンボールの中のコミック・リリーフだ)

C3-P0 and R2-D2 often provided comic relief during the Star Wars movies.
(しばしばR2D2とC3P0はスターウォーズの中でコミック・リリーフを演じる)

人(あるいはその役柄)そのものを指したり、その人が部分的に提供する場面を指すことがあります。

まとめると言葉としてのムードメーカーは変な英語ではありません。例えば日本語では遊園地の乗り物の1つをジェット・コースター(Jet coaster)と呼びますが、これは英語ではRoller coaster(ローラーコースター)」です。

しかし、これもジェット・コースターでも十分に意味はわかるし、変な英語ではないそうです。ただし、ネイティブスピーカーはジェット・コースターと誰も呼びません。

翻訳しようとするとぴったりくる英語がなくて非常に難しいカタカナではあります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

ピックアップ記事

  1. 2016年、はてブで500を超えた英語学習の記事まとめ
  2. sentence spring(センテンス・スプリング)は英語としてどうか?
  3. 世界のツイッターフォロワー数ランキング!
  4. 英単語としてのhack(ハック)の正しい使い方
  5. 外国人がFree Teaを無料と勘違いして万引き

関連記事

  1. コンペンセイト

    英単語の使い方と単語比較

    compensate / compensationの使い方

    日本語訳としては動詞では「compensate(補償する、埋め合わせを…

  2. hot

    スラング

    hotはスラングで様々な意味がある

    hotは熱い、暑いを意味するみなさんもよく知る基本単語だとは思いますが…

  3. account

    イディオム・熟語・慣用句

    account forの使い方

    この記事では主に「account」の使い方と、それを使った熟語であるa…

  4. 同情

    英単語の使い方と単語比較

    sympathyとempathyの違い

    sympathyとempathyも区別がつきにくい単語の代表で、非常に…

  5. terribly

    英単語の使い方と単語比較

    強調の意味のterribly

    副詞のterriblyは「ひどく、恐ろしく、めちゃめちゃに」といった強…

  6. 選挙

    英語の使い方

    選挙用語の英語まとめ

    2016年はイギリスのEU離脱の国民投票や、アメリカのトランプ・ヒラリ…

おすすめ記事

  1. カタカナ
  2. bread
  3. フリーティー
  4. hatena
  5. センテンススプリング
  6. 本当は好きじゃなかった
  7. ツイッター
  8. asas
  9. カタカナ都市名
  10. 炎上

重要英単語bot

重要英単語bot

最近の記事

  1. cat
  2. ジッパー
  3. ピリオド
  4. 呪い・カーズ
  5. コールド
  6. コンサーン
  7. 同情
  8. offとaway
  9. vet
  10. 逃げる
  1. 寛容性

    イディオム・熟語・慣用句

    tolerateとintolerantの使い方
  2. pants

    英単語の使い方と単語比較

    パンツ(pants)が複数形になる理由
  3. up

    イギリス英語とアメリカ米語

    meet up, eat upなど意味のないup
  4. ブルーボトル

    アメリカ

    アメリカのコーヒー文化まとめ
  5. 店員

    英単語の使い方と単語比較

    restaurant, eatery, dinerなど飲食店を表す英語
PAGE TOP