前にイギリスとイングランドとグレートブリテン及び北アイルランド連合王国の違いを書きました。
お互いに連合国家だけど違う国の人をどう思っているのか気になりますね。
『ざっくり英語ニュース!StudyNow』のナレーションをしてくれているダンは、ロンドン出身のイングランド人です。
彼にとって、ウェールズ人やスコットランド人は、どういう存在なのか気になって質問したことがあります。
2014年、スコットランドがUKから独立するかどうかで投票が行われていました。これに関してもダンは「彼らが独立したいなら独立すればいいし応援はしたい。彼は彼らの法律があり、文化があるわけだからね」と言っていました。
このあたりは各国でユニオニスト(連合国家を支持する人)とナショナリスト(個々の国を支持する人)にわかれ、特に北アイルランドなどでは対立が顕著なようです。
日本に例えると
自国民だけど違う国の人という感覚は、ダンの説明によると、ひょっとしたら日本人が「沖縄」に感じるような感覚かもねと言っていました。
個人的には沖縄には独自の文化が色濃いですが、日本とは違うとまでは思いません。
彼のいわんところは、今は1つの国だけどルーツとしては違う文化を持っていたりする感じでしょうか。
例えば少し想像力を働かせて、日本の歴史が少し違って第二次大戦の後に「日本・台湾・韓国・中国北部の一部」で日本連合国みたいなものができていたら、違う国が集まって1つの国を作る感覚がちょっとわかるかもしれません。
スポーツの試合
サッカーやオリンピックなどの世界大会を見るとわかりますが「イングランド」「スコットランド」などで出場しているときもあれば「UK、GB(グレートブリテン)」などの連合国家で1つの枠として出場しているときがあります。
これはなんで? とダンに質問してみました。
彼の説明によると例えばフットボール(サッカー)はイングランド人やスコットランド人のアイデンティティに関わるような重要なスポーツです。
ウェールズはラグビーが有名ですが、ウェールズ人にとってラグビーは別格の存在です。
このような重要なスポーツで、イングランドとスコットランドが混合で代表を形成するとか、ちょっと考えられないレベルの話みたいです。
そういった経緯もありサッカーの「イギリス代表」は基本的には存在しないものです。
厳密には形式的にはあるようで、オリンピックでは「サッカーイギリス代表」がロンドン五輪に出ています。
しかし、スコットランドと北アイルランドからは選手が選ばれずにイングランドとウェールズの選手のみで構成されていました。
技術不足で選手が選ばれなかったのではなさそうで、政治的なアイデンティティに関わる特有の問題があるようです。
過去にも名称としては「サッカーイギリス代表」であっても、実態はイングランド代表の集まりだったりと、事情がありそうです。
たまにサッカーの統一代表チーム(イギリス代表)を作る動きも起こるようですが、あまり4つの国の足並みが揃うことはないようですね。
その他の競技ではイギリス代表が見られます。