クレーム

「クレーム(claim)」はどこまで和製英語か?

英語に興味を持つと日本語の「苦情を言う」に相当する「クレーム(claim)」が和製英語であることに気が付きます。

このclaimをどう使えば適切なのか、ネイティブの意見を聞いてもう少し掘り下げてみます。

claim(強く言う・主張する)

日本語の「クレーム」とは違い英語のclaimは主張するなので、良い悪いを含めて使うことができます。「強く言う」といった意味です。

He claims he is rich.
(彼は自分が金持ちだと主張している)

この段階でカタカナの使い方と随分と違います。英語では「強く言う、主張する、申し立てる、要求する、請求する」の意味なので、良いこと悪いこと両方に使うことが特徴でしょうか。

特に良いこと、ポジティブなことにも使えてしまうのがカタカナとの大きな違いで、日本人が間違えやすい原因になっています。

He made a claim he didn’t commit the murders.
(彼は殺人に関与していないと主張した)

Her claim is that she is the fastest runner in the world.
(彼女の主張は自分が世界で最も速いランナーということだ)

英語でclaimを使うと「主張している」としかならないので、話の続きとして「なにを?」となります。

また「StudyNowは素晴らしいアプリで感動的だ。私の人生を変えてくれた」とユーザーからメールをいただいても、これもclaimになりえます。

ニュース英語では訴訟関係や容疑者の犯罪への否認など、さまざまな形でclaimが登場するので、慣れればカタカナとの違いが明確になっていくと思います。

カタカナでいうクレームは、claimでも伝えることは可能ですが、その大半はcomplainで伝えたほうが明確だとは思います。

claim(自分のものにする)

一度、アプリ内のニュースで不思議なclaimの使い方があったので気になっていました。「自分のモノにする」といった意味もあります。

I claimed a bed in the hotel room.

上の例文は「ホテルの部屋にベッドが1つ!!」と私が強く主張しているわけではありません。主張しなくても部屋を見れば明らかでしょう。

文章は二人でホテルの部屋に泊まった時などに、1つしかないベッドを自分のものだ!と奪うことを意味しています。

所有権の主張と考えることもできます。このような「これは俺のものだ!」と強く言い張って自分のモノにしてしまうニュアンスがあります。

baggage claim

バゲッジクレーム

空港などにある「手荷物引渡場(バゲッジクレーム)」を意味する言葉です。

ここでの「claim(主張する)」という意味から考えて「その荷物は私のものです!」と主張する場所のことと思っても、そう遠くはないと思います。

正確な語源みたいな部分は不明ですが、おおよそclaim本来の意味がわかれば、手荷物が私のものであると要求する場所としては妥当な名前です。別に文句をいう場所ではありません。

不満・苦情を言う

クレーム

おおよそカタカナのクレームが意味する「苦情を伝える」は、英語では「complain」で表現可能です。

名詞がcomplaint、動詞でcomplainで、結果同じ意味でも文法の扱いが異なります。

complaint(名詞:不満・苦情)

complaintは「不満、不平、苦情」を意味する名詞です。

I have a complaint about the service at this restaurant.
(私はこのレストランのサービスに不満がある)

There are many complaints about your products.
(あなたの製品に多くの不満がある)

まれにニュース英語でcomplaintが、法律用語の「訴状」の意味で用いられます。訴状は不満でもあるので、不満・苦情と読んでもそう大きく意味を取り違えることはなさそうですが少し気をつけたいです。

complain(動詞:不満を言う)

動詞ではcomplainで「不満を言う」です。表現している内容は同じです。

He complained about the heat.
(彼は暑さに不満を言った)

She complains about her husband.
(彼女は夫に不満をいっている)

complain ofとcomplain aboutの違い

本当に細かい差で厳密に運用しなくても通じますが、ofをとるか、aboutをとるかは少し違います。

ネイティブスピーカーですら、そんなに気にするようなことではないけど、厳密にいえば以下のような運用の規則があります。

I complained of low wages.
(やすい賃金に不満をいう)

I complained about wages.
(賃金に不満をいう)

ofの後ろには悪いものが入ります。「ひどいホテルのサービス」「まずい料理」「安い賃金」などですね。

一方で、aboutの後ろには良いとも悪いともいっていないジャンルや対象が入ります。「ホテルのサービス」「料理」「賃金」などです。

「この店のまずい料理に不満がある」と「この店の料理に不満がある」のような表現の差で、会話表現ではさほど神経質になるような部分ではないそうです。

またcomplained toもあり、こちらは人に対して使います。

I complained to Mr.Sato
(私は佐藤さんに不満を言った)

後ろに人や提供者がくる場合はtoで表現してください。

クレームは和製英語の代表格として扱われますが、感覚的にはそこまで意味不明でもないのかなとは思いますが、よく日本人がやる間違いでもありますね。

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