alt

オルタナティブ(alternative)の意味は?

ニュースなどでもたまに「alternative(オルタナティブ)」という単語が登場します。

辞書をひくと「二者択一の」「代替案」といった意味で掲載がありますが、この訳ではスムーズにいかない文章も多いです。

むしろ訳としては「主流ではない」「本流ではない」と考えたほうが納得がいくケースが多いので、こちらの意味で考えた方がいいかもしれません。

alternative ◯◯の形で、音楽や芸術をはじめさまざまな言葉にくっつくことができます。

alternative / alt

オルタナティブ

alternativeは略としてaltの形で表記されることがあります。元々が「オルタナティブ(ɔːltə́ːrnətiv)」の発音なのでaltはカタカナでは「オルト」でしょうか。

主流でない、メインではない、本流ではない」の意味なので、何かメインとなるものがあって、それに対抗するカウンターとしての何かを指すケースが多いです。

概念としては相対的で漠然としているので、どこまでを主流とするか、どこからをオルタナティブとするかは、けっこう人によって判断が変わる傾向があります。

パソコンのキーボードにもaltキーがありますが、これも考え方としてaltキーを押すことで、通常状態のキーボードには割り当てられていない主要ではない機能や文字を使うことができる、と考えることができます。

一番上のメイン画像の女性なども一般の流行りではない格好、服装をしているので「オルタナティブな服装」として考えることは可能です。

以下は実際にアプリ内で登場したいくつかのオルタナティブの実例、使い方です。

Alternative Rock(オルタナティブ・ロック)

1990年代に大ヒットしたアメリカのロック・バンド「Nirvana」の記事を書いたときに登場しました。ニルヴァーナはよく「オルタナティブ・ロック/オルタナ」の代表として名前がでます。

ニルヴァーナ以前はヘビメタ全盛の時代でもあり、大きな髪の派手な衣装のバンドがアメリカでは人気でした。

しかし、普段着のような薄汚いネルシャツに、スニーカーはコンバースのジャックパーセル、暗く沈んだ歌詞に憂鬱なメロディと、従来になかったスタイルを確立させて人気が出ます。

こういった当時の主流とは違ったスタイルのロックとして、従来のヘビメタ的なものに嫌気がさしていた人達を中心に新しいものとして受け入れられていきます。

代表曲を1曲あげろといわれれば『Smells Like Teen Spirit』です。ひさしぶりに聴きましたがかっこいいですね。

alternative music(オルタネティブ・ミュージック)

オルタネティブ・ミュージック(alternative music)にもいえることですが、結局は「主流になっているものに対しての違う存在」といった意味なので、特定の音楽ジャンルというよりもスタンスや態度、あるいは音楽性に対する周囲からの評価の問題になります。

したがって主流であるものが違えば、そのオルタナティブも時代によって異なります。ニルヴァーナの人気が出てメインになってしまえば、それに対するオルタナティブもまた存在しえます。

時代によってはビートルズですらも、当時の人にとってはオルタナティブな存在だったとはいえます。

ただ英語本来の意味から離れて、日本の音楽用語(業界用語)や音楽マニアの共通用語として話すときの「オルタナ」はある程度、この時代のこのあたりの音楽を指すといった定義はあるかもしれません。

Alternative Right(オルタナティブ・ライト)

ドナルド・トランプの支持層を扱ったニュースで登場した言葉で、略してalt-rightとも呼ばれます。意味は「主流ではない右翼」で、ここでのrightは右のことです。日本の報道では「オルタナ右翼」「オルトライト」といった表現がされています。

所属している共和党、ドナルド・トランプ本人も、伝統保守の考えが色濃く見られます。古き良きアメリカの伝統を守ることは、全体として右寄りの傾向になりがちです。ときにそれは人種に対して排他的になり、トランプ自身もよく反メキシコ、反イスラムの姿勢を見せていました。

結果的にトランプ支持層の中には、歴史や伝統があり大勢が抱くような保守的な右翼とは違った、極端で特殊な右翼的傾向を持つ人々も入ってきます。それが有名な白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン/Ku Klux Klan)であったり、ヒトラーの思想を引継ぐNeo-Nazi(ネオナチ)と呼ばれる層です。

最近のメディアでは、このような少数派をracist(人種差別主義者)と呼ぶわけにもいかないのでalt-right(主流でない右翼)などと表現するようになっています。

Alternative Comedy(オルタナティブ・コメディ)

alt comedy(オルト・コメディ)のことで80、90年代に流行ったスタイルのコメディです。

ネタとして政治への風刺やエロ系のシモネタ、暴力的な内容などちょっと放送できないような内容を舞台で行うのがオルト・コメディにあたります。

日本では右翼芸で知られる鳥肌実などがまさにオルト・コメディにあたるのではないでしょうか。たぶん地上波で放送されることはないと思います。

古くはビートたけしや、紳助竜介のつっぱり漫才、ダウンタウンの漫才なども、当時の主流からは外れたスタイルで、ダウンタウンなどは横山やすしに「チンピラの立ち話」と酷評されたことをよく話していました。この意味では現在の大御所と呼ばれるコメディアンも少なからず「オルタナティブ」であったといえます。

このあたりは境界線がなく、時代と共に変化していく相対的な概念なので人によって見解が変わると思います。

海外のコメディの分類に関しては以下の記事にまとめています。

Alternative News(オルタナティブ・ニュース)

人気のニュースサイト「ロケットニュース24」の事務所に遊びに行かせてもらったことをニュースで配信したことがあり、その際にロケットニュース24は以下のように説明されていました。

RocketNews24 gets over 50 million hits a month and is widely known for delivering unusual and alternative news.
(ロケットニュース24は月間で5000万以上のヒット数があり、普通ではない、オルタナティブなニュースを配信することで知られている)

一般的にニュースはNHKやBBC、CNNみたいな世界情勢や経済などの重要な話題を取り扱うものです。

それに対してロケットニュース24をご覧になっている方はご存知だと思いますが、どうでもいいニュースやくだらない企画も多いです。これを「オルタナティブ」と表現しています。だからといって別に「アンチ」ではないです。主流・メインのものと、オルタナティブは敵対するような概念ではありません。

ロケットニュースは英語版もあり、日本語版の内容や英語独自のニュースを配信しているので、英語の勉強にもいかがでしょうか。

RocketNews24 English

代替案などの日本語訳

このようにオルタナティブの考え方は主流、メインの何かがあって、その反対としての意味があります。

日本語にした場合、代替案などがあがりますが、これも考え方としては「本来のメインの案があったけど、それに対しての代わりになるもの」です。

We failed but luckily I have an alternative plan.
(私たちは失敗したが、ラッキーなことに私にはオルタナティブな案がある)

この場合など代替案と訳せますが、考え方としては上の例文では失敗してしまった案が本線、バックアップの案がオルタナティブにあたります。

例えば、ここに赤のペンと青のペンがあります。どちらか差し上げるので、あなたは好きな1本を選んでください。

あなたは赤いペンを選びました。この場合は青がオルタナティブにあたります。

赤を選んだ以上は赤がメイン、本線です。それに対しての主流ではないものとして残った青のペンが存在しています。

このように相対的な概念なのでさまざまなものに使え、漠然としているケースもありますが、基本的なイメージを抑えておけば対応できるのではないでしょうか。

似た言葉のalternate(オルタネイト)

alternativeに似た言葉でalternate(オルタネイト)があります。こちらは動詞で「交互に起こる、行ったり来たりする」などの意味があります。文脈によっては単純に「change」でも成立します。

The weather alternated between sunny and rainy.
天気は晴れと雨を交互に繰り返した。

My shifts alternate between morning and evening.
私のシフトは朝と夜が交互にある。

alternate(形容詞)

形容詞でも使うことができるので、その場合は「一つおきの、交互におきる」などの意味になります。名詞ではあまり登場しません。

I work alternate shifts in the morning and evening.
私は朝と夜、交互のシフトで働いている。

We had a week of alternate sun and rain.
晴れと雨を交互に繰り返した週だった

I work on alternate days.
(1日働いて、1日休みの意味です)

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